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【サッカー】

ザック監督秘策 打倒オランダへ3-4-3講習会

2013年11月15日 紙面から

報道陣の前でオランダ対策を徹底指導するザック監督(手前左)=ベルギー・ゲンク市内で(松岡祐司撮影)

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 【ゲンク(ベルギー)松岡祐司】日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(60)が13日、報道陣の目の前で打倒オランダの「秘策」を徹底伝授した。公開された冒頭15分間の戦術トレーニングで、オランダ代表の中盤の底に陣取るN・デヨング(ミラン)の展開力を制限し、ロッベン(バイエルン)らサイド攻撃に対して数的優位で封じ込む守備戦略を重点的に確認。引いて守らず、打ち合い覚悟のハイプレス戦を挑み、W杯躍進への糸口を探る腹づもりだ。

 練習開始直後だった。ザック監督が10人の選手をピックアップして「3−4−3」の布陣に並べると、いきなり“講習会”が始まった。通例なら非公開で実施するような戦術的な守備の実地トレーニング。ピッチに響き渡る指示を耳にして、報道陣は目が点になった。

 ザック監督「よく聞いてくれ。守備はまず中央を固める。アンカーボランチ(N・デヨング)は(3トップの本田)圭佑とオカ(岡崎)でケアする。ここを自由にするとワイドに展開される。ここがキーポイントだ」

 公開したまま続けるのか? ピッチ脇がざわつくのも構わず、ザック監督の口調は熱を帯びた。

 3トップに置いた大迫、本田、岡崎を動かしながら、「サコ(大迫)がパスコースを限定する。圭佑とオカの守備のスタートポジションは相手サイドバックとセンターバックの間。この距離感を覚えてくれ」。本田と岡崎が両サイドに開いてケアできない場合、「ボランチ2人が前にスライドして自由を奪う。この2つのやり方を覚えておいてほしい」と加えた。

 さらに、オランダ伝統のサイド攻撃に関して、「相手サイドバック、3トップのサイドの2人に対して、うちは3人で奪う。相手が背中を向けたら挟み込んで奪うんだ」。本田は指示の意図を周囲と再確認し、岡崎は同サイドの長友と連係のタイミングを話し合っていた。

 非公開になっても、延々と“講習会”は続いたようで、清武は「前の選手の追い込みが重要。一人一人の走る量は確実に増える」と言い、今野は「(従来の戦術に対して)プラスアルファが入ってきている」と手応えを口にした。

 1カ月前にセルビア、ベラルーシにいいところなく敗れたばかり。それでも、引かない。引くどころか、ハイプレスの真っ向勝負を演じる構えだ。「日本は美しいゲームをした時にこそ、勝率が高まる」とはザック監督の信念。恐れはおくびにも出さず、オレンジ軍団を堂々と沈める。

 

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