山本太郎議員にナイフ入り殺害予告「刺殺団派遣します」

参院本会議を終え、議場を出る山本太郎氏 Photo By 共同

　参議院議員会館（東京都千代田区）に山本太郎参院議員（無所属）に宛てたナイフ入りの封筒が届いていたことが１３日、分かった。殺害を予告する文面もあり、警視庁は山本氏が天皇陛下に手紙を手渡したことに対する嫌がらせとみて、脅迫容疑で調べている。

　警視庁によると、１３日午前、不審な封筒が届いたことに参議院議員会館の警備担当者が気付き、エックス線検査を実施したところ、中に刃物のような物が写った。山本氏の事務所が警視庁に連絡し、警察官の立ち会いで中を確認したところ、刃渡り約８センチの折り畳み式のナイフが見つかったという。

　封筒の裏面には「日本民族独立解放戦線総裁」の肩書で差出人とみられる名前と「近日中に刺殺団を派遣します」との言葉が記されていた。封筒の中身はナイフだけだった。事務所は「明らかな脅迫行為で大変残念だ」としている。

　山本氏は１０月３１日にあった秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡したことが問題となり、山崎正昭参院議長が８日、厳重注意と任期中の皇室行事への出席を禁止する処分を言い渡した。１３日午前に開かれた参議院本会議では山崎議長が山本氏に対し「品位が疑われるような言動がないよう、院の内外を問わず議員としての品位を守り、疑わしいがごとき言動がないように」と注意したことを報告。その後、処分内容を告げていた。山本氏は神妙な表情で真っすぐ前を見据えたまま聞いていたが、封筒は本会議とほぼ同時刻に届いていたことになる。

　山本氏は８日に山崎議長からの直接注意を受けた後、記者団に「できることならば（陛下に）直接お会いして、今回の非礼についておわび申し上げたいが、それはかなわないようなので、すでに（皇居近くの）二重橋に行っておわび申し上げている」などと話していた。

　手紙問題以降、議員会館周辺では右翼団体などが連日にわたり抗議活動を実施。「山本議員は辞職せよ」などとシュプレヒコールを繰り返しており、警視庁が警戒を強めていた。

　【最近の国会議員脅迫】
　▼中山正暉元建設相　０３年１０月、大阪市内の長男・中山泰秀衆院議員の事務所に中山元建設相宛てで長さ約５センチの銃弾入り封筒が届く。裏には「永田町浄化委員会」と書かれ、中山元建設相の北朝鮮問題での政治姿勢を中傷する文書を同封。

　▼小沢一郎生活の党代表　民主党幹事長時代の０９年１２月、衆院会館の事務所に長さ約８センチのライフル銃実弾入り封筒が届く。脅迫文はなかった。

　▼菅直人元首相　首相時代の１１年６月、衆院会館の事務所に刃渡り約８センチのナイフのような刃物が入った封筒が届く。「総理を辞任しろ」などと書かれた便箋が同封され、最後には「赤報隊一同」とあった。