陵と喪儀 両陛下のお気持ち11月14日 19時31分
天皇陛下は、今後の「陵」と「喪儀」の在り方について、極力、国民生活への影響が少ないものにすることが望ましいとし、皇室のしきたりをできるだけ変えないまま、時代の要請も取り入れようと考えられました。
「陵」については、武蔵陵墓地の用地に限りがあるなか、品位を損なわない程度に小さくすることで、自分たちや、あとに続く世代が昭和天皇を囲む形で葬られることを望まれているということです。
さらに、皇后さまとの合葬も視野に入れる考えも示されていましたが、皇后さまは「あまりにおそれ多い」とし、同時に、自分が先立てば天皇陛下の在位中に陵が造られることになるなどとして、合葬は遠慮したいという気持ちを強く示されたということです。
一方、埋葬方法について、両陛下は、▽陵の大きさや形を弾力的に検討できることや、▽社会では火葬が一般的で、皇室でも歴史的には土葬と火葬の両方が行われてきたことから、火葬が望ましいとの気持ちを持たれていました。
また、一般の葬儀に当たる「葬場殿の儀」の場所について、国民が広く利用している場所を長い間占有しないかや、多くの樹木を伐採することが無いかなど、国民生活や環境への影響に留意する必要があると考えられています。
そして、ここ数年顕著になっている気象条件の急激な変化を非常に心配し、参列者の安全が確保できる場所を選んでほしいと述べられているということです。
天皇皇后両陛下は、これまで記者会見の場などで、仲むつまじさを披露されてきました。
天皇陛下は、平成15年の誕生日を前にした会見で、「私自身にとり、深い喜びをもたらしてくれたものは、皇后との結婚でした。どのようなときにも私の立場と務めを大切にし、優しく寄り添ってきてくれたことは心の安らぐことであり、感謝しています」と述べられました。
皇后さまは、平成21年の結婚50年に際しての会見で、「陛下が誠実で謙虚な方でいらっしゃり、また常に寛容でいらしたことが、私がおそばで50年を過ごしてこられた何よりの支えであったと思います」などと述べられています。
両陛下は、互いに支え合って歩み続ける一方で、時代に合った皇室の在り方を追い求めてこられました。
天皇陛下は、即位にあたっての会見で、「国民の幸福を念じられた昭和天皇をはじめとする古くからの天皇のことに思いを致すとともに、現代にふさわしい皇室の在り方を求めていきたいと思っております」と述べ、伝統を大切にしながら、時代の変化に対応していく考えを示されていました。
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