UPDATE 2-甘利再生相「景気は引き続き上向き」、来月上旬に経済対策も
(内容を追加しました)
[東京 14日 ロイター] - 甘利明経済再生担当相は14日、2013年7─9月期国内総生産(GDP)が実質、名目ともにプラスだったことを受け、「内需の動きに底堅さが見られ、景気は引き続き上向いている」と語った。切れ目のない成長を実現するため、対策規模5兆円・減税1兆円の経済政策パッケージを12月上旬にまとめる考えも示した。
同日午前の記者会見で述べた。甘利氏はプラス成長を維持した背景に、1)緊急経済対策の効果が出て公共投資が大きく増えた、2)個人消費が4四半期連続で増加し、設備投資も引き続きプラスになった、3)低金利や景況感の改善などで住宅投資が増えた――─などの要因があると指摘した。
アベノミクスの大規模な金融緩和で円安、株高が進んだ政権発足時の高成長より見劣りするのでは、との問いには「株価の一服感が消費マインドに影響している。(日経平均株価が)1万5000円の壁を突破できず、1万4000円台にとどまっている」と指摘。その上で同氏は「(成長率は)民間見通しそのものは上回っており、日本経済は引き続きたくましく回復軌道に乗ると思う」と述べた。
先行きについては「消費は雇用、所得環境が引き続き改善する中、消費税率引き上げ前の駆け込み需要も見込まれ、緩やかな増加が見込まれる。消費を含め、内需が引き続き堅調に推移し、景気回復の動きが確かなものになることが期待される」との認識を示した。
外需が3四半期ぶりにマイナス寄与になったことは経済成長の足かせだが、これに関連し、甘利担当相は「輸出がマイナスになったのはアジアと米国に要因がある。アジアの一部では自動車購入の優遇策が切れた反動が出ているほか、米国では大手2社が特定車種の生産拠点を移し、その分が落ちた。ただ、次の期はそれらがマイナス要因にならないため、(次の期は輸出は)回復する」と話した。
「海外景気の下振れリスクには引き続き注視していく必要がある」とも語った。
また、甘利氏は、政策効果息切れへの懸念を払しょくするために経済対策5兆円・減税1兆円の経済政策パッケージを12月上旬に策定すると強調。デフレ脱却と経済再生に向け、「女性や若者、高齢者に資するような、防災対策等も含めたメニューをしっかりと詰めていきたい」と語った。
<TPP交渉、「年内妥結に現実味」>
甘利氏はこの日の記者会見で、環太平洋連携協定(TPP)交渉についても触れ、「日米中心に年内妥結に向けた交渉は加速している」と述べた。「相当な緊張感を持って最終的な詰めに入る」としたが、交渉のやり取りの詳細には踏み込まなかった。 (山口貴也 編集:山川薫)
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