菅野、球速アップで２年目の飛躍へ！基本のストレート進化宣言

川口投手総合コーチ（手前左）の指示に手を挙げて応える（後方左から）菅野、杉内、西村

　巨人の菅野智之投手（２４）が１３日、今オフのテーマに「直球の質向上」を掲げた。この日、Ｇ球場での秋季練習後に今季を振り返り、来季への改善ポイントとして「真っすぐです。スピード、キレ、威力も制球も全部です。打たれている試合は直球が走らない」と自己分析。１年目の今季、１３勝（６敗）を挙げた右腕が基本のストレートを進化させ、２年目の飛躍を狙う。

　投球の基本＝直球に立ち帰る。菅野の視線は来季に向いていた。ランニング中心のメニューで秋季練習を行いながら、自らを冷静に分析していた。今季の反省、来季への課題を聞かれると「真っすぐです」と即答。「とにかくスピード、キレ、制球も含めて上げていきたい」とこだわりを見せた。夏場には最速１５２キロを計測。キレ、威力ともプロでも上位の力を見せたが納得していなかった。

　ジレンマを抱えながら１年間投げていた。「毎試合感じていました。『球速遅いな』って…打たれている試合は直球が走っていない。３０歳、３５歳になってから求めても遅いんで」と、改良を決断した。

　東海大時代には最速１５７キロを記録したが、入団当初からスピード自体にこだわりはなかった。剛球でねじ伏せるタイプではなく、多彩な変化球と制球力で勝負するのが菅野のスタイル。シーズン中には「平均して１４５キロくらいあればいい」と話していたが、向上心が自然と湧いてきた。

　そう簡単ではないことは菅野自身が一番、理解している。どういう練習方法を取るのか、について問われると「それが分かったら皆、メジャーリーガーになれますよ」と苦笑いした。ウエートで体を大きくすることが必ずしも球速アップにつながるわけではない。「投げ込み、ウエート、走ったりと、トレーニングコーチと相談して、いろいろやっていきたい」と試行錯誤をしていく覚悟だ。

　内藤トレーニングコーチは「疲れもあったんだろうけど、シーズン後半は遠投で、彼本来の（球の）軌道ではなく、シュート回転していた。まずは肩の可動域、筋肉などを見直していくこと」と説明した。「自分が正解だと思うところにコンタクトしていくしかない」と強い意志を見せた菅野。より大きく羽ばたくために、己の肉体、トレーニングを再考して、最高の直球を手に入れる。