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【サッカー】

柿谷 批判は歓迎 代表5試合無得点も「言われてこそ」

2013年11月14日 紙面から

軽快な動きを披露するFW柿谷=ベルギー・ゲンク市内で(松岡祐司撮影)

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 【ゲンク(ベルギー)松岡祐司】日本代表のFW柿谷曜一朗(23)=C大阪=が「批判」を歓迎した。今年7月の東アジア・カップ(韓国)でブレークして以降、代表5試合無得点と沈黙が続く。待望の若きエース候補として大きな期待と称賛を注がれる一方、プレーに対する批判や注文も増えてきたが、柿谷は「いろいろ言われてこそ」と甘んじて受け入れる姿勢。すべての賛辞も酷評もエネルギーに変え、柿谷は勝利のゴールへ向かう。

 気温8度。鉛色の曇天から降り注ぐ霧雨と底冷えの寒風が肌を刺す中で、柿谷が吐く白色の息はより弾んで見えた。

 「チームとしてやることはハッキリしている。一緒にやってきて、お互いのところ(特徴)も分かっていかないといけないというのもあるけど、大事なのは練習より試合でどれだけ合わせていけるかだと思っている」

 10月の東欧遠征から帰国後、C大阪で3戦2発。勝負強さは圧巻で、その実力に甘いマスクも加わって人気はうなぎ上り。イタリアの時計メーカーとスポンサー契約を結ぶなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

 その一方で、代表では3カ月間もゴールがない。相手守備陣の裏へ抜ける一瞬の動き出しを評価されながらも、肝心のパスが出てこない…。ただ、柿谷自身は「誰かの良さだけを引き出すというチームではない」と、周囲との連係不足という見方はしていない。試合に出る以上、責任は自分で負うべき−。決定的に切り崩せないのは、自らの力不足にほかならないというわけだろう。

 要求しろ。遠慮するな。もっとできる−。そう言われても「(プレーを)抑えているわけではない」と返し、5試合無得点の現状には「(心境的には)そんなに引っかかっているわけではないけど、一番前(FW)で出ているからにはいろいろ言われて、言われてこそだと思う」。腹をくくり、エースとして重圧とも向き合う覚悟だろう。

 J2徳島時代の恩師、美濃部直彦監督(現長野パルセイロ)にこんな話を聞いたことがある。

 「『自分で解決しろ』と言い続けたよ。『甘えるな』って。曜一朗に対する期待と厳しさをいつも曜一朗自身に持たせていた。それを乗り越えることで、あいつは成長したんだと思う」

 6戦ぶりの得点、そしてニッポン再浮上のカギは、やはり柿谷自身にある。

 

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