政府主催の全国都道府県知事会議が8日、首相官邸で開かれ、2014年度の税制改正や予算編成を巡り、知事らが安倍晋三首相や閣僚に要望を伝えた。地方の一般財源総額の確保、防災・減災対策の強化などの要求では知事側が足並みをそろえた。地方法人課税の見直しに関しては税源を奪われかねない東京都に孤立感が漂った。
地方法人課税の見直しに関し東京都の猪瀬直樹知事は、「役所のご都合主義。地方分権に大いに逆行するもので、大変由々しき提案だ」と強い口調で訴えた。東京都、大阪府、愛知県などの税収が大きい地方法人税の一部を国税化し、税収の少ない自治体に再分配する措置を継続・強化しようとする政府内の動きをけん制した。
知事側で最後の発言者となった大阪府の松井一郎知事は特区指定による税制優遇を求めるにとどまり、これまで東京都に同調していた愛知県の大村秀章知事は海外出張で欠席。より分配を受ける側になる可能性が大きい他の知事からはこの問題に触れる発言はなく、安倍首相は「地方があって東京がある。その中でいかに知恵を出していくかだ」と答えを濁した。
全国知事会は10月、地方法人税の国税化、再分配について、地方法人事業税の一部に限っていた現行制度を「廃止等を図ることを基本として検討すべきだ」との提案をまとめている。税源の偏りを無くすための一時的な措置として08年度税制改正で論議された際は、知事会が「総意」として強く反対する緊急声明を出した。宮城、佐賀、徳島、鳥取など一部の知事は「『毒まんじゅう』拒否宣言!」を発表して反発。そうした空気は、今回の会議にはない。
ただ新たな地方法人税の国税化がすんなり進む保証もない。総務省の有識者検討会の案は、都道府県税の地方法人事業税だけでなく、市町村にまたがる税源の地方法人住民税の一部も国税化する内容。市町村の一部からは反発の声も出ている。
地方6団体と自民党国会議員が6日に開いた懇談会では、全国市長会の神谷学財政委員長(愛知県安城市長)が「具体的なことは全く知らされていない。関係自治体の納得が得られるものにしてほしい」と注文。7日には指定都市市長会の矢田立郎会長(神戸市長)が「市町村の基幹税目であり、到底容認できない」との談話を公表した。
与党税調の論議がヤマ場を迎える年末に向け、東京都などは、どう巻き返しをはかり、どんな着地点を見いだすのか。今後は市町村との連携を視野に入れた動きが出てくる可能性もある。
調整役の中心となる自民党の野田毅税調会長の胸の内は定かではない。6日の地方との懇談会では、司会者から求められたあいさつにも応じず、ひと言も発しないまま、途中退席した。
安倍晋三、猪瀬直樹、松井一郎、大村秀章、安城、矢田立郎、全国知事会、野田毅
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