マー台湾入り、３００人熱烈歓迎　あすアジアシリーズ開幕

　【台北（台湾）井上学】アジアシリーズに出場する楽天が１３日、台湾入り。台北の空港では、シーズン２４勝無敗の伝説を打ち立てた田中将大投手（２５）が地元メディアの手荒い歓迎を受けた。日台韓のリーグ王者などが参戦するアジアシリーズは１５日に開幕。６チームが２組に分かれて１次リーグを戦い、各組２位までが準決勝に進む。楽天は義大（台湾）、キャンベラ（豪州）と同じＢ組に入っている。

　出口からイヌワシ戦士が姿を見せた瞬間、空港ロビーは大歓声に包まれた。楽天の現地法人社員約２０人ら、ざっと３００人の熱烈歓迎。お目当てはもちろん、絶対エースだ。地元メディアに包囲された田中は、２０メートルを約５分かけて歩き、何とかバスにたどり着いた。

　中華棒球大連盟（ＣＰＢＬ）の要請で設置された規制テープや警護も、田中フィーバーの前には無力だった。瞬く間に地元のテレビカメラ７台に取り囲まれた田中は、行き場を失って苦笑いするばかり。ひと言も発することはなかったが、台湾の歓迎ぶりは間違いなく伝わったはずだ。

　星野監督が「今年の田中の成績は台湾の野球ファンも知っている」と言うように、日本球界のエースは台湾でも大スターの扱い。指揮官は「ここでも投げさせたら本当のアホや」と登板させない方針だが、何とかして勇姿を見せてあげたい気持ちもある。

　そこで浮上してきたのが『伝令』での起用だ。「ファーストでもやらせるか。いや、そんなことはしない。伝令なら大丈夫かな」。考えを巡らせた指揮官がたどり着いた結論だった。

　シーズン中にその役割を務めた佐藤投手コーチも「アイツにもアドバイスする難しさが分かるんじゃないの」と賛同。たとえ投げなくても、マウンドに立つ背番号１８が最高のファンサービスになりそうだ。