連続運転で世界記録 常磐共同火力勿来発電所
いわき市の常磐共同火力勿来発電所10号機が、石炭ガス化複合発電(IGCC)設備として連続運転の世界記録を更新した。同社が13日に発表した。長時間運転により効率的な発電が可能となり、使用燃料の削減につながると期待される。
従来の連続運転記録はオランダのブフナム発電所が保持していた3287時間で、勿来発電所の設備は12日午後1時35分に記録を更新した。同社は12月に10号機の中間点検を予定しており、今後も運転を続ければ連続記録は点検時までに4000時間を突破する見通しとなっている。
10号機は、同社が4月に吸収合併したクリーンコールパワー研究所が所有し、平成19年に実証機として運転を開始した。勿来発電所は合併後に点検した上で、今年6月28日に商用機として運転を始めた。10号機は熱効率向上のため、石炭ガス化に「空気吹き方式」を採用している。
IGCCはエネルギーの安定確保と地球温暖化防止の両立につながると世界から注目されている。現在、オランダで1機、米国で2機、スペインで1機が稼働している。従来の石炭火力に比べ、二酸化炭素排出量を減らすことができ、使用する石炭の種類が多いことが特徴となっている。
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