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地方
台湾旅行で「日本人の誇り」 海外雄飛へ国際感覚磨く 熊本・大津高校
熊本県立大津高校(緒方一夫校長)は平成23年、熊本県内の公立高校として初めて、修学旅行先に台湾を選んだ。反日意識が強い中国や韓国へ行く高校が全国に数多くある中、異論もあったが、当時の校長と教員、PTAが努力し、日本と関係が深い台湾への修学旅行を実現した。この取り組みは、日台の草の根交流につながっている。
23年、当時校長だった白濱裕氏は、生徒の内向き志向を懸念していた。若者が世界を目の当たりにする機会をつくろうと、これまでスキーだった修学旅行先を海外に見直すことにした。ことさら“戦争犯罪”を強調し、生徒にまで謝罪を求めるような中国、韓国よりは、友好的な台湾がふさわしいと考えた。
県内の公立高校では台湾だけでなく海外への修学旅行は前例がなかった。一部の保護者から安全面などを心配する声も上がったが、白濱氏が説得を続け、賛同の輪が広がった。
生徒も一念発起した。渡航前に中国語の特訓を受け、台湾のこと、台湾の近代化に貢献した日本の先人について学んだ。
「初めて自分が日本人であることを自覚した」「日本の良さを知り、日本人としての誇りを持てた」
生徒の感想からは、修学旅行の成果が読み取れる。
修学旅行は双方向の親善にもつながっている。
大津高校は修学旅行で台湾・新北市立海山高級中学を訪れ、交流している。この海山高級中学の生徒67人が今月8日、修学旅行として大津高校を訪れた。大津高校の生徒は英語や中国語を駆使し、くまモンと一緒に歓迎した。
大津高校に後押しされるように、行政も台湾との交流に歩み出した。
9月9日、蒲島郁夫知事と熊本市の幸山政史市長が台湾・高雄市を訪れ、国際交流促進覚書を締結した。今後、熊本-台湾定期航空便も視野に入れるという。
昨年3月に校長を退任した白濱氏は、こう語った。
「生徒には台湾への修学旅行をきっかけに日本人としての誇りと自覚を抱き、グローバルな視点を持って羽ばたいてほしい」
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