道東
減速スーパーおおぞら同乗 札幌―釧路4時間半 「尻も腰も痛い」
(11/03 21:10、11/04 17:32 更新)
特急「スーパーおおぞら」の新ダイヤを掲示するJR釧路駅の改札口
JR北海道の減便減速ダイヤが始まった1日、特急「スーパーおおぞら」の自由席に乗り、釧路―札幌を往復した。合計9時間弱。釧路への帰路は所要時間が最も長い4時間36分の便。これまでも日帰り経験はあるが、往復とも4時間を切っていた旧ダイヤと比べると、さすがに体力的にきつかった。
行きは7時14分釧路始発の「スーパーおおぞら2号」。3連休前だけに旅行客も目立つが、スーツ姿のビジネス客の方が多いよう。
従来より始発は42分遅く、減速も重なって札幌着は58分遅い11時29分、所要時間は4時間15分。午前でもあり、記者は到着後も苦痛は感じなかったが、時間重視のビジネス客には不満も。釧路市の会社員男性(49)は「新ダイヤだと昼からの営業しかできない。今後は前日入りが増えるだろう」とぼやいた。
帰路は午後4時28分発の「スーパーおおぞら9号」。所要時間は従来の最長より37分長い。それでも指定席は満席で、出発20分前にホームに着くと自由席を確保しようと約50人が列をつくっていた。
出発後すぐに、途中停車駅の到着時刻が読み上げられ、終着が午後9時4分と告げられると、釧路が遠く感じられた。放送は減便減速に触れなかった。
出発から約30分、南千歳に着くと、新千歳空港から乗り継ぎの旅行客らがどっと乗ってきた。大阪市から観光で来た会社員岡本哲朗さん(59)は道内入りしてからダイヤ改正で釧路着が1時間20分ほど遅れると知り、釧路市内の居酒屋の予約をキャンセル。「車内で弁当つまみに飲むしかない。道外にもきちんとダイヤ改正を知らせてほしかった」と嘆いた。
釧路駅に到着後、旅行先の仙台から戻った釧路市の無職加藤明也さん(68)は「座っている時間が長く感じ、尻も腰も痛い。安全対策をきっちりして早くダイヤを元に戻してほしい」と訴えた。
鉄道には乗車時間が3時間を超えると乗客が減る「3時間説」があるという。実際、下車後の疲労感は否めず、多少運賃が高くても飛行機に乗ったり、出発時間に左右されない車を選ぶ人が増えかねないのではないか。安全対策はもちろん、JR北海道は「JR離れ」への危機感を持ち、早期に再び高速化にかじを切ってほしい。そうでないと釧路がますます衰退しかねない。(長谷川裕紀)
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