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逃走のドイツ人出頭 26時間ぶり確保
11月14日 18時54分

逃走のドイツ人出頭 26時間ぶり確保
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13日、仙台市の仙台中央警察署から取り調べ中に逃走したドイツ人の男が、丸一日以上たった14日夕方、宮城県七ヶ浜町の交番に出頭し身柄を確保されました。

身柄を確保されたのは、ドイツ人で、住所不定の自称大学生、シューツ・ペトロ・ウラジミロビッチ容疑者(25)で、13日午後4時すぎ、仙台市青葉区の仙台中央警察署で取り調べを受けている最中に4階の取調室から逃走していました。
警察は目撃情報などから、ウラジミロビッチ容疑者が仙台市の北隣の多賀城市や七ヶ浜町に潜伏している可能性が高いとみて、重点的に捜査していました。
また、14日午後には七ヶ浜町の防災行政無線を使いドイツ語で「安全は確保するから出てきなさい」と呼びかけていました。
そして午後6時半前、ウラジミロビッチ容疑者が七ヶ浜町の七ヶ浜交番に出頭し、逃走から26時間ぶりに身柄を確保したということです。
このとき、ウラジミロビッチ容疑者が交番の前にいた警察官に「仙台に行きたい」と英語で話しかけてきたため、警察官が「ウラジミロビッチ容疑者か?確保するぞ」と聞いたところ「分かった」と答えたということです。
また、ウラジミロビッチ容疑者は13日逃走したときは白色の上下にはだしでしたが、身柄を確保されたときは上下黒のスーツに野球用のスパイクを履いていたということです。
警察は、ウラジミロビッチ容疑者を13日逃走した仙台中央警察署に移し、逃走後の行動などを詳しく調べるとともに今後、逃走の疑いで逮捕する方針です。

逃走と捜索の経緯

ウラジミロビッチ容疑者は、先月31日、仙台市内のホテルで従業員の男性2人を殴って顔の骨を折る大けがなどをさせたとして、傷害の疑いで逮捕されました。
そして、仙台市青葉区の仙台中央警察署で取り調べを受けていました。
警察によりますと、13日は、午後、取り調べ室に、ウラジミロビッチ容疑者のほか警察官と通訳が入り話を聴こうとしたということです。
しかし、ウラジミロビッチ容疑者が、体を揺するなどして応じない構えを見せたため、午後4時すぎに取り調べを中断する手続きを取ろうと警察官1人が取り調べ室を出た直後にウラジミロビッチ容疑者が椅子に結びつけていた腰縄を外して、制止する警察官を振りほどき逃走したということです。
手錠はしていなかったということです。
また、取り調べ室のドアは、開けていたということです。
ウラジミロビッチ容疑者は、4階の取り調べ室を出た後、警察署の裏側の階段を使って1階に降りて、はだしのまま警察署から走り出し、警察官があとを追いましたが振り切られて見失ったということです。
警察の調べによりますと、ウラジミロビッチ容疑者は、このあと、警察署から数百メートル離れた交差点で通行中の乗用車を止めて運転していた男性に、英語で仙台市の北隣の多賀城市にあるJR多賀城駅に向かってほしいと話したということです。
ウラジミロビッチ容疑者は、午後5時ごろ、仙台中央警察署から10キロ以上離れた多賀城駅近くの幹線道路沿いで男性の車を降りたことが分かっています。
その後、周辺の住宅地でウラジミロビッチ容疑者とみられる男が、住民などに片言の日本語や身振り手振りで「寒い、服が欲しい」などと服や靴を求めたため、住民などがシャツとスリッパを手渡したということです。
また、午後6時ごろには、近くのマンションの駐車場で車の影に隠れるようにしている姿が目撃されています。
さらに、午後7時ごろには、隣の塩釜市のショッピングセンターでウラジミロビッチ容疑者とみられる男が目撃されていましたが、その後、足取りは途絶えていました。
そして、14日午前6時前、今度は、多賀城市と塩釜市の東隣の七ヶ浜町で、ウラジミロビッチ容疑者とみられる男が、駐車中のタンクローリーのドアをたたいたのを車内で仮眠していた運転手が目撃しました。
タンクローリーの運転手は「ドアをたたく音がしてカーテンを開けて外を見ると外国人の男が立っていたが、何も言葉を交わさずに男は仙台市の方向に歩いていった」と話しています。
七ヶ浜町では、ほかにも目撃情報が複数寄せられため、警察は、付近に潜伏している可能性が高いとみて集中的に捜索するとともに、町の防災行政無線を使い、ドイツ語で「私たちはあなたのことを心配している。これ以上罪を重ねることはやめて、出てきなさい」と呼びかけていました。

宮城県警「深くおわび」

宮城県警察本部は、「警察で取り調べ中の容疑者を逃走させるという事態を招き、県民の皆様に大変な不安を与えたことに対して、深くおわび申し上げます」とするコメントを出しました。
また、逃走を許した原因については、腰縄の結び方が十分でなかったことや、容疑者が腰縄をゆるめた際にすぐ踏み込んで制止しなかったことなどが考えられるとして、今後、当時の状況をさらに確認したうえで再発防止に向けた取り組みを強化したいとしています。

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