道南
東北からの入学者が増加 函館の大学・短大 新幹線延伸が背景
(11/12 16:00)
【函館】新幹線の延伸を背景に、東北地方から函館市内の大学に進学する学生が増えている。北海道教育大函館校の今年の新入生は道外出身者が半数を超え、そのうち8割近くが東北出身者だった。函館短大も食物栄養学科の新入生の3割に達した。16年3月予定の北海道新幹線開業で移動時間がますます短くなることから、大学側も東北での高校巡りなどPRに力を入れ始めている。
道教大函館校は今年の新入生340人のうち道内出身者169人、道外出身者が171人。「道内が半数を下回るのはおそらく初めて」(広報担当)という。道外出身者のうち78%に当たる133人が東北出身者だ。
函館短大の今年の新入生も、食物栄養学科は93人中30人が東北出身者、保育学科では92人中15人を青森県出身者が占めた。同短大は「これまで東北出身者は数人程度だったのに」と驚く。
公立はこだて未来大は、開学した2000年の新入生240人中31人が東北出身者だったが、一時は10人ほどに減少。それが11年度28人、12年度39人、13年度54人と年々増加し続けている。
これらの要因として入試担当者は新幹線の延伸効果を上げる。3年前の東北新幹線新青森開業で函館への所要時間が短縮され、北海道新幹線が開業すれば、さらに短縮が進む。
今年の新入生108人中27人が東北出身者だった函館大は「東北のうち青森、岩手の新幹線沿線が増える傾向が強い。今年の新入生が4年生になる直前に北海道新幹線が開業し、乗り換えなしで移動できるという親の安心感も強い」と話す。
学生にとっては函館の知名度、震災を体験した親にとっては安全面も大きな動機だ。八戸市出身の道教大函館校1年生、前田菜摘さんは「関東は地震が多そうだし、観光地の函館に住みたかった」と話す。福島の大学も志望していたが、原発事故の影響を懸念した親に反対されたという。
少子化による学生数減少に直面する大学側にとって、東北は期待の「有望市場」だ。道教大函館校の教員らは来春設置する新学科をPRするため、8月に東北の高校を巡った。
函館短大は今年から、東北の就職先の開拓にも乗り出した。加納洋人事務局長は「東北から学生を受け入れ、東北に就職させるサイクルを確立させて、大学の生き残りにつなげたい」と力を込める。(内山岳志)
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