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安倍首相は脱原発決断を…小泉元首相が会見
このところ「原発ゼロ」発言を繰り返している小泉元首相が12日午後、東京・千代田区の日本記者クラブで記者会見し、「総理が方針を決めれば反対できない」などと述べ、安倍首相に脱原発を決断するように促した。
小泉元首相が「原発ゼロ」発言の後に記者会見をするのは初めてで、会場には300人以上の報道関係者が詰めかけた。
小泉元首相はまず、「政治が方針を示せ」と強調した。
「政治で一番大事なことは、方針を示すこと。原発ゼロという方針を政治が出せば、必ず知恵ある人がいい案を作るというのが私の考えなんです」
原発をゼロにする理由については、使用済み核燃料など高レベル放射性廃棄物の最終処分場がいまだ決められていない点を指摘した。
「なぜ10年以上かかって、ひとつも(用地を)見つけることができないのか。(福島第一原発の)事故の前からですよ。事故の後、これから政治の責任で見つけなさいというのが(原発)必要論者の主張ですよ。この方がよほど、私は楽観的で無責任だと思いますよ」
そして、小泉元首相は安倍首相に対し、原発をゼロにすることを決断するよう促した。
「今、総理が決断すればできる権力、それは原発ゼロの決断ですよ。郵政民営化、あのときよりもはるかに環境良いですよ」
小泉元首相の長年の持論だった郵政民営化は、参議院で法案が否決されたものの、衆議院の解散に打って出て法案を成立させた。
「まさに乾坤一擲(けんこんいってき)、この文字がぴったりの解散だった。やってみなけりゃわからない。一か八か。それに比べれば今はどういう状況ですか。野党は全部、原発ゼロに賛成ですよ。こんな運のいい総理はいない」
では、具体的にいつの時点で原発をゼロにするのか、この点については次のように説明した。
「私は、即ゼロのほうがいいと思いますね。再稼働すると、また核のゴミが増えていくわけですよ。再稼働させると言ったって、最終処分場見つからないんですよ。だったら、すぐゼロにした方がいいと思いますよ」
約1時間半にわたって熱弁をふるった小泉元首相。ただ、具体的にどのようにして原発をゼロにするのかという点については、「こういう問題を国会の一政党・一議員だけで出せるわけないじゃないですか。だから、専門家の知恵を借りて、その結論を尊重して進めていくべきだというのが私の考えなんです」と述べるにとどまった。
政府・与党は小泉元首相の一連の発言に対して静観する構え。
菅官房長官「政府としては、エネルギーの安定供給。責任あるエネルギー政策を推進していくことが極めて大事だと思う。郵政と原発を比較するのは、私はどうかなと思う」
また、小泉元首相の二男である小泉進次郎議員は「父親が元気でいるということは、いいことですね。今回、こういうのをいいチャンスととらえてね、様々な課題をオープンに議論するようになればいいんじゃないですか」と述べた。
小泉元首相の主張は今後、どこまで広がりを見せるのだろうか。
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