ホテルや百貨店だけでなく酒造メーカーにも広がる食材偽装問題。13日も新たな偽装が発覚し、とどまるところを知らないが、国内在住の外国人はどう見ているのか。海外では珍しくないという偽装が、「何でも高品質」と思っていた日本でも起きたことに多くの外国人が驚き、「メード・イン・ジャパン」の不信感も深まる。「食材の行き過ぎたこだわり」「ブランドへの執着」など、問題の背景にある日本人の志向を皮肉る声も出ており、外国人の目は私たちの姿を鏡のように映し出している。
■「高品質の国」のはずが
「中国では食材偽装は当たり前。消費者は表示を信じないし、偽装が発覚しても大きな話題にならない」
近畿大で学ぶ中国人留学生女性(22)=滞在歴3年、大阪府東大阪市=は連日のニュースに驚く。「私の家族も買い物で産地を気にすることはない。何事にもまじめな日本人らしい話題」と淡々と話した。
ロシア人のセレズニョフ・アレクサンダーさん(40)=同7年、神戸市中央区=は「私の国ではウオツカに化学成分を混ぜて売る酒屋は多いが、ホテルやデパートのような大企業での偽装は聞いたことがなく、日本で起こるとはびっくりだ」と話した。
■過剰なこだわり
問題の背景に日本人の「過剰なブランド志向」を指摘する声もある。
旅行会社勤務のインド人、ムケシュ・カンドパルさん(35)=同10年、大阪府豊中市=は「母国では食事はおいしければよく、食品の法規制も緩い」とした上で「インドでもブランド志向はあるが都市部だけ。日本人はあらゆるものにこだわりが強すぎる」と皮肉まじりに語った。
ホテルアルバイトのドイツ人女性(24)=同10カ月、京都市下京区=も「日本人のブランドへの強すぎる執着が問題を引き起こした原因の一つでは。こうした執着はドイツ人にはあまりない」と話した。