東京電力から新規制基準への適合審査申請が出されている柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)について、原子力規制委員会は13日、近く公開での本格審査を始めることを決めた。規制委は、東電が8日に公表した福島第一原発の作業環境の改善などを含む対策を評価した。福島第一原発事故後に、東電の原発が本格審査に入るのは初めて。

 東電は9月27日に柏崎刈羽6、7号機の審査を規制委に申請。一方、福島第一原発では作業ミスによる汚染水漏れなどが相次いだ。規制委は福島第一原発の現場の安全管理の徹底を優先すべきだとし、柏崎刈羽の審査は、事務局が書類の不備などを確認する非公開の聴取にとどめていた。

 東電は8日に福島第一の作業員増員や、労働環境改善などの緊急対策を発表。13日の規制委定例会では、田中俊一委員長が原発の審査について「規制委にかせられた法的な義務」と述べた。審査会合を開き、柏崎刈羽の論点を整理、審査の進め方を検討することにした。公開で開かれる審査会合では、規制委員が申請内容を審議し、具体的な指示をする。

 ただ、柏崎刈羽原発は事故を起こした福島第一と同じ沸騰水型炉(BWR)で、規制委がBWRを審査するのは初めて。現在審査が進む加圧水型炉(PWR)とは構造や基準の適合条件が異なる部分が多く、審査にどのくらい時間がかかるか不透明だ。