石川のニュース 【11月10日02時58分更新】

日韓カトリック指導者、金沢に 12日から交流会

高山右近像=広坂1丁目のカトリック金沢教会
 日本と韓国のカトリック教会の指導者が一堂に会する「日韓司教交流会」が12日から 14日まで金沢市で初めて開かれる。2015年に没後400年を迎えるキリシタン大名 高山右近ゆかりの地を舞台に「世界平和」について意見を交わす。カトリック関係者の間 では、「聖人」に次ぐ「福者(ふくしゃ)」の称号を右近に与える運動の追い風になると 期待されている。

 19回目となる交流会には、日本側から岡田武夫大司教ら17人、韓国側から姜禹一( カンウイル)司教ら19人が参加。駐日バチカン大使のジョセフ・チェノットゥ大司教も 加わり、講演会などが開かれる。

 前田家の客将として活躍し、茶人でもあった右近をしのび、カトリック金沢教会=広坂 1丁目=で茶会が開かれるほか、右近が築造に当たった金沢城下の防御施設「惣構(そう がまえ)」など、ゆかりの史跡めぐりも行われる。

 日本のカトリック教会は現在、信仰を貫き通してマニラで殉教した右近に対し、マザー ・テレサらと同じ「福者」の称号を与える列福(れっぷく)運動に取り組んでいる。交流 会の準備を進める大阪教区の松浦悟郎補佐司教は右近の列福について「韓国の司教団も関 心を寄せており、右近が過ごした金沢で交流会が開かれる意義は大きい」とした。

 日韓司教交流会は1996年、両国の歴史認識問題の共通理解を深める目的で始まり、 日本では東京、大阪、広島、長崎などで開かれてきた。

●高山右近(1552〜1615年) 織田信長、豊臣秀吉に重用された戦国武将。秀吉 の禁教令で大名の地位を奪われた後、前田家に招かれた。徳川家康の禁教令で国外追放と なり、1615(慶長20)年2月5日、マニラで没した。洗礼名は「正義の人」の意味 を持つユスト。


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