児童虐待に政治家 「高齢者対策と違い票に繋がらない」
- 2013年11月09日 15時28分
- 提供:アメーバニュース/政治・社会
児童虐待の件数は増加の一途をたどっている。厚生労働省の統計によると、2012年度の児童虐待相談件数は6万6807件と過去最高を記録し、22年連続で上昇。また、虐待によって死亡した子どもの人数は11年度が99人。07年度をピークに減少しているものの、09年度から増加傾向にある。直近の事例では、7月に和歌山市で父親が2歳の長男を自宅で暴行し、死亡させた事件が起きている。
この事件では、子どもが虐待を受けている疑いがあるとして乳児院に入所させ保護していたが、父親と子どもの関係が改善されたと親元に返した直後に起きた。和歌山県知事は「判断が甘かった」とし、「今後、状況を検証する」と定例会見で述べている。
かつて、児童相談所を取材した折り、相談専門の電話は常に鳴り続けていた。先に挙げた乳児院は定員オーバーで、行政当局もそれを黙認。児童相談所など他の児童福祉施設も同様だった。
現場の担当者は「権限は増したが、現状に対応できる人員が少な過ぎる。政治家はこういった問題を正面から取り上げないために、人員増強は望めない。和歌山の事件は対岸の火事ではなく、あす起きてもおかしくない」と状況を説明する。
なぜ、政治家はこうした問題を取り上げないのか。ある議員は「高齢者対策を訴えれば票につながるが、子どもの福祉について政策を訴えても有権者は耳を貸さない」と話す。少子高齢化は全国で問題となっているが、地方においてはより顕著だ。
先の議員は「予算は限られている。高齢者向けの政策を実行していたら、予算が足りない。今日、公務員の増員なんて言ったら有権者は逃げ出す。問題視する人間は多いし、自分も問題だと思う。だが、誰ひとり当事者になろうとしない、我々も行政も有権者もだ」と吐き捨てた。
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「誰ひとり当事者になろうとしない、我々も行政も有権者もだ」この一言に問題の全てがつまっている。つまり問題に対する国民の意識改革が必要なんだよ。政治家を動かすのは国民の声だ。その声はすぐに効果は表れないかもしれないが、無力ではない。