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【東京】

「判断するのは市民」 小平で住民投票考えるシンポ

シンポジウムで徳島市の住民投票を振り返る村上稔さん(中)=小平市で

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 小平市で五月に行われた都道計画を問う住民投票を考えるシンポジウム「住民投票と住民参加〜徳島と小平から学ぶ」が九日夜、小平市内であった。市民ら約百七十人が、徳島市で行われた吉野川可動堰(ぜき)建設の賛否を問う住民投票の実現に関わった元徳島市議村上稔さんらの話に、耳を傾けた。 (北爪三記)

 市民グループ「小平都市計画道路に住民の意思を反映させる会」が主催。住民投票が投票率50%に届かず不成立となり、市議会への請願提出や提訴など開票を求めて活動してきた状況を説明した後、村上さんと小平市在住の哲学者國分功一郎さん、文化人類学者中沢新一さんが討論した。

 二〇〇〇年に行われた徳島市の住民投票は投票率55%で、建設反対票が十万票以上と九割を超えた。一〇年には前原誠司国土交通相(当時)が建設しない考えを表明した。

 村上さんは「判断するのは市民と考え、フラットな情報発信をした。可動堰の必要性を説く国のパンフには徹底的に反論するなど、きちんと伝える努力もした」と活動を振り返り、「遊びや勉強のイベントを繰り返す中で、市民に問題が浸透した」と話した。

 中沢さんは「徳島の運動は、可動堰の是非をくっきり描き出すデザイン力が優れていた。小平の問題もしつこくやり続けるのが大切なことだ」と話した。

 討論を聴いた市内の不動産経営の女性(78)は「住民投票に行ったのに開票されず、民意をばかにしているとずっと腹が立っている。行政に市民の声を反映させるためには根気よく頑張っていかなければ、とあらためて思った」と感想を語った。

 市内の自営業宮沢利行さん(43)は「投票後の状況を知りたくて参加した。問題を削りだして表現する、というのは大事だと感じた」と話していた。

 

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