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出直し会見で失敗した板東。テレビの人気者に北風が吹き付ける

 テレビ番組の司会者や出演者として権勢を誇った大ベテラン2人が再起を目指してもがいている。1人は出直し会見に臨んだが空回り気味、もう1人はラジオで大放言をやらかし、残る仕事もピンチに追い込まれそうだ。

 10日に大阪市内で会見して「仕事をするチャンスをください」と頭を下げた元プロ野球選手でタレントの板東英二(73)。昨年12月に個人事務所が名古屋国税局から約7500万円の申告漏れを指摘され、芸能活動を休止していた。

 問題発覚から約10カ月すぎての会見だったが、指摘された架空外注、架空貸し付けには同席した弁護士が「一切ない」と否定するだけで具体的な説明はなし。

 「長年、国税庁のPRをやっていた人の納税の不祥事だけに、野球シーズンが終わるのを待たず一刻も早く謝罪、釈明会見をするべきだった」とベテラン芸能リポーターは苦言を呈する。「問題発覚時と春のキャンプ、今年8月の阿波踊りと何度もカメラの前に立ったのにノーコメント。食品偽装の謝罪連発の流れに乗ったとしか思えない」と皮肉る。

 謝罪会見は比較的早かったが、自分で火の粉を振りまいているのがタレントのみのもんた(69)だ。次男の不祥事でTBS系の報道2番組は降板したが、テレビのバラエティーとラジオ番組の合計2つを死守。9日放送のラジオ番組(文化放送「みのもんたのウィークエンドをつかまえろ!」)で、8日に死去した島倉千代子さんの葬儀・告別式が14日に東京・青山葬儀所で営まれることに触れ、「私の復帰第一作。私のカムバックにふさわしい場所」と発言したことに、ネット上で「他人の死を復帰に利用するとは」と、猛烈な批判がわき起こっている。

 これにはラジオ局関係者もあぜん。「あの番組は生放送。パーソナリティーなら当然、発言がどんな社会的反響を招くかセーフとアウトの基準を熟知しているものだが、それが分からない人にマイクを渡すことは怖すぎる」と呆れる。

 芸能評論家の肥留間正明氏は、2人の失態を「“常識”という歯車がかみあっていない。10代のアイドルならば涙の謝罪も通じるが、植毛を必要経費とする感覚は整形手術を受けるグラビアアイドルだって持ち合わせていない。みのさんの発言は芸能史上に残る失言。今回の降板は、息子の不祥事が引き金だったが、その本質はみのさん自身の人格が問われたことにまだ気づいていないようだ」と嘆く。

 2人の共通点は、ともにテレビ界の大物だったこと。ある中堅放送作家は「視聴率を“持っている”限り局長も重役も最敬礼。視聴率偏重主義のひずみですよ。ただ、テレビは新たな人気者が現れるのも早い。10カ月も離れていた板東さんには空いたイスはない。早晩、みのさんもそういう立場になるのでは」

 「ああいう人間がワイドショーの司会をしていると世間に思われると、テレビ局の存在意義そのものが問われる」(肥留間氏)。テレビを盛り上げた2人は世間の常識をどう受けとめるのか。