ちきりんさんが飛ばしています。さすが!
大企業のほうが成長できるとか完全にウソ – Chikirinの日記
たしかに、大企業の研修は役立たなかった
そもそも「研修制度で成長できる」とか思ってる社会人なんている? いないよね?
だとしたら、「大企業は研修制度が整ってる。だから成長できる」は、まったく成り立たない。
ぼくは2009年4月にルネサステクノロジ(日立+三菱の半導体会社)に入社し、新入社員研修を受けました。振り返ってみても、特に役に立ってません。
座学の研修では、
・ビジネスマナー
・半導体技術
・各部門の仕事
あたりを学び、2ヶ月間(人によっては半年)、全国各地の半導体工場に飛ばされ、「現場」を学びました。ぼくは那珂工場で生産管理部門と生産現場で働きました。
特に辛かったのは現場仕事で、朝8時にクリーンスーツを着て工場内部に入り、夕方5時までひたすら機械を見守りました。幸い人に恵まれたので楽しかったこともありましたが、基本的に「あれ、何やってんだ俺…」という虚無感に苛まされた時間でした。ぼくの性格的に、あのまま続けていたらリアルにうつ病になっていたと思います。
で、あの当時の経験が今の役に立っているかといえば、役に立っていない、といわざるをえません。半導体とは直接関係のない仕事をしていますからね…。
大企業の一年はまさにぬるま湯のような感じで、2年目にベンチャーに転職してからは、そのスピード感の早さに驚かされました。ベンチャー時代に経験したことは、未だに役立っています。というか、ぼくが社会人三年目で独立できたのは、ベンチャーで働いたからこそです。
思うに、特に大企業の研修は、「その会社に長期間勤めること」が前提になっているのでしょう。ぼくがルネサスに残りつづけていたら、工場で研修したという経験・人脈は「役立っている」と思われます。が、転職・独立してしまったぼくには、そうした資産はほとんど何の役にも立たないものになってしまうのです。
言い換えれば、大企業の研修は「文化的な儀礼」であって、「ビジネスパーソンとしての市場価値を高めるための訓練」ではないわけです。外の市場で戦いたいと考えている人にとっては、まぁ、時間の無駄でしょう。
「大企業は研修が充実しているから〜」という理由で大企業を選択する学生は、驚くほど(本当に!)多いですが、その研修の内実をよく事前に判断すべきです。
その研修が単なる文化儀礼であれば、あなたの市場価値を高める可能性は低いです。その研修が、純粋にスキルアップを図るものだとしたら、それは「美味しい」会社です。力を付けて、会社に依存しないで済むような人材になりましょう。
以前聞いた話だと、リクルートはプログラミング研修をがっつりやるらしいです。プログラミングの知識はポータブルなスキルなので、研修で学び取れるのは美味しいでしょうね。
大企業のほうが成長できるとか完全にウソ – Chikirinの日記