美作市は、温泉施設や宿泊施設のある市施設「大芦高原国際交流の村」(同市上山)を指定管理者として運営する市の第三セクター「雲海」(同所、社長・道上政男市長)を清算する方針を6日の市議会全員協議会で明らかにした。同社は4月に設立し、7月に指定管理を始めたが早くも資金繰りが困難となったという。
同交流の村は市の直営で赤字運営が続いたため、市は温泉やレストランをいったん休業し、3500万円かけ改修した上で同社の指定管理に移行。同社の資本金2650万円(市2500万円、地元住民ら150万円)と本年度の指定管理料1千万円の計3650万円を運営資金に充てることにしていた。
同社はアドバイザーを務める宿泊業者の助言などを受け、営業再開前に高級志向に経営方針を転換。追加工事や備品購入などの費用を含め、運営資金のほぼ全額に当たる約3600万円を使用した。
同社の7〜9月の営業収支は約450万円の赤字。市は運営継続は赤字を拡大させるだけで再建は困難と判断し清算を打ち出した。
市は11月末で同村の営業を休止し、指定管理者を公募で選び、再開を目指す考え。岩崎清治副市長は「わずか数カ月での失敗で誠に申し訳ない。施設を閉鎖しないよう公募を進めたい」としている。