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【社会】

自動ブレーキ車で事故 マツダ試乗会 衝突、2人重軽傷

マツダの自動ブレーキ搭載車が突っ込んで壊れた金網=埼玉県深谷市で

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 埼玉県深谷市で十日に行われたマツダの新車試乗会で、障害物を検知して止まる自動ブレーキ機能の車が、会場内のフェンスに衝突する事故があった。助手席のマツダ車販売店の男性社員(22)が腕の骨を折る重傷、運転していた同県本庄市の会社員男性(39)が軽傷を負った。県警が十一日、発表した。

 深谷署によると、車はスポーツタイプ多目的車(SUV)「CX−5」。試乗会は駐車場で行われ、車は約七メートル先のマット手前で自動停止するはずだったが、マットをはねのけ、六・六メートル先の金網に突っ込んで停車した。

 マツダによると、同社の自動ブレーキ機能はスマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)と呼ばれ、時速四〜三十キロで走行中に作動する。署によると、この日は数人が同じ車を運転したが自動ブレーキ機能は正常に作動したという。署は事故時の速度やブレーキの作動状況を調べている。

 マツダ国内広報部(東京)は「事故原因は調査中だが、SCBSをめぐる事故は聞いたことはない。再発防止に努め、徹底していく」としている。

 最先端技術で衝突を防ぐはずの新型車で事故が起きた。機能の不具合か運転ミスか事故原因は不明だが、各メーカーは「自動ブレーキですべての衝突を防げるわけではない」とも指摘している。

 自動ブレーキは、レーザーなどで前方の車や障害物との距離を測り、衝突の危険があると自動で速度を落とす仕組み。国内の各メーカーによると、二〇一二年ごろから市販車への導入が本格化した。

 各社の自動ブレーキには作動する速度に条件があり、時速三十キロを超えると作動しない場合がほとんどだ。さらに、降雨やカーブには適切に作動しない可能性もあり、各社は、機能の注意書きに「機能を過信せず、安全運転を心がけてほしい」などと記載している。

 自動ブレーキ機能をめぐっては、東京都葛飾区の首都高速で今年五月、走行中のトヨタ車に急ブレーキがかかり、後続車に追突される事故が発生。先行車に当たって乱反射したレーザーが並走車に反射してトヨタ車に届き、横からの「割り込み」と認識したのが原因だった。

 六月には、三菱自動車のスポーツタイプ多目的車(SUV)が、トンネルの壁を先行車と認識して自動ブレーキがかかる不具合が判明。両社は国土交通省にリコール(無料の回収・修理)を届け出た。

 一方で国交省などによると、作動するはずの自動ブレーキがかからず、事故になったケースはこれまで確認されていないという。

 

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