2011年06月30日

兄さんの雑記 4(老後嫌い)

テーマ:ブログ
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さてこれは、兄さんの職場に隣接する特別養護老人ホームの写真

である。



この建物の中には数十人のお年寄りが入居しており、高い入居金と

引き換えに終生介護を確約されている訳だが、やはり斯様な箱の中

にて一生を終えるのはあまりに不憫という配慮からか、月に二・三回

の頻度で、外部から歌や踊りといった各種慰問を迎え入れているのだ。



ちなみに、その弊害として、行事に伴う下膳時間の繰り上げがあり、

兄さん達は貴重な休憩時間を削り以て、お年寄り達に娯楽の場を

確保している訳だが、昨今の年金問題を鑑みるに、多くの年配者を

少ない若者達が支える、逆ピラミッドの図式成り立つのが、少子化に

悩むこの国の常だからして、その件に関しては黙って享受するより

他は無いのである。



さて先週、そんなお年寄り達の元に、ピアノの弾き語りがやってきた。



兄さん達は夕食配膳のトラックを待つ傍ら、壁三枚通してなお耳に届く

豊か且つ艶やかな声量に一同感服していた訳だが、よくよく歌詞を

聴いてみると、あろうことか、先短いお年寄り達に対して・・・



「わたしの~♪お墓のま~えで~♪泣かないでください~~♪」



などと、TPOを全く弁えぬばかりか、大切なお客様を愚弄すると断じ

られても已む無き選曲に、呆れを通り越して思わずほくそ笑んで

しまった次第。



なお、不謹慎だが、その一連の流れが的確に笑いのツボを直撃した

故に、日頃から天地ほどの格差開きし夫婦仲を取り持つ一助として、

なるべく愉快に、また、面白おかしく愛妻へと語り継いだものの、残念

ながらアテが外れてしまったようで、腹を抱えて笑うどころか、とてつも

なく淡々冷涼とした口調にて、風呂掃除を命じてきた事から察するに、

どうやら彼女は、兄さんと共に老後を過ごすなど以ての他、もしかすると

夫の即死すら切に願っているかと疑いたくなる程、兄さんの事が大嫌い

なようである。


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