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2013年11月3日【大自在】

(11/ 3 07:45)

 2008年10月。浜松市で開かれた日本青年会議所の全国大会に会頭経験者でもある当時の麻生太郎首相が出席した。夜は歴代会頭が集った懇親会に顔を出し、2次会にも付き合った

▼そこにブッシュ米大統領から電話が入る。北朝鮮の「テロ支援国家」指定を解除する方針を伝えてきた。核開発関連施設検証の枠組みづくりで、米朝が合意したとの話だった

▼公式発表前の連絡は、拉致問題を抱える日本への米国の配慮だったのだろう。ただ、首相が官邸から遠く離れた場所で、宴席を中座して電話を受けた事実は、米国の行動がいかに「寝耳に水」だったかをうかがわせた

▼本紙なら朝刊2面の右下隅。新聞の首相動静欄から読み取れる政治の動きの一例として、ジャーナリストの池上彰さんが著書で紹介している。政府のこんな慌てぶりが国民に透けて見えないように、というわけでもなかろうが、国会で防衛相経験者がこの欄をやり玉に挙げた

▼いわく「(国民の)『知る権利』を超えている」「日本は秘密や機密の感覚を失っている」。動静欄は取材の成果。記者が立ち入ることのできる場所には制約もあり、首相の行動全てが把握できているわけでもない。動静欄には載らない要人との密会があるのも実態だ

▼実情を承知のはずの元防衛相の発言は臆測を呼んだ。批判が強い特定秘密保護法から目をそらす「陽動作戦」との見方もある。ただ、真意はどこにあろうとも、間違いなく言えることもある。国民の目線に立つ「感覚を失っている」政治家が、国民の支持を得ることはない。

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