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2013年10月28日【大自在】

(10/28 07:45)

 「裏は取ったか」。新聞記者になったばかりのころ、上司や先輩にやかましく言われた。人はうそをつく。勘違いもする。2人以上の証言があって初めて情報の精度が判断できる

▼情報収集はギブ・アンド・テーク。経験で学んだ。知りたいことを無条件で話してくれる人はそうはいない。話すことで自分も得られるものがある。そう感じるからしゃべるのが普通だ

▼多くの場合は報道され、世間に広く伝わる利点を感じて話してくれる。だが、取材先が欲する「得られるもの」はそればかりとは限らない。思惑を持って記者を誘導しようと考える人もいる

▼「他国とより緊密に情報交換するため」。国会に提出した特定秘密保護法案の狙いを、政府はそう説明する。安全保障の機微に触れる情報については、既に自衛隊法などで秘密保持の法整備がなされている。国民の目や耳をふさいでまで、さらにどんな情報をやり取りしたいのか

▼新たな法ができたところで、他の国が洗いざらい情報をくれるとも思えない。たとえ深い信頼関係にある国でも、自国に都合が悪い情報まで積極的に伝えてくるとは考えにくい。伝えられた内容が相手の持つ情報の全てか、取捨選択されているのか。知るすべはない

▼そもそも伝えられた情報の裏を取り、事実を確認する能力が日本政府にあるだろうか。かつて「大量破壊兵器がある」との大誤報を振りまいた同盟国もあった。「この情報は間違いない。欧州の首脳の電話を盗み聞きして得たのだから」。仮にそこまで教えてくれるのなら、まだ話は別だとしても。

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