京都新聞 11月13日(水)9時9分配信
滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、入院患者の人工呼吸器を外して呼吸停止で死亡させたとして、殺人罪で懲役12年の刑が確定した元看護助手西山美香受刑者(33)の2度目の再審請求で、弁護団が、西山受刑者の自白した方法では患者を殺害することができないとする専門家の意見書を大津地裁に提出したことが12日、分かった。弁護団は、検察側の供述調書には矛盾があり、「自白に信用性がない」としている。
弁護団によると、入院患者の男性=当時(72)=の人工呼吸器は、外れるとアラームが鳴り、消音ボタンを押すと止まる仕組み。外れた状態が1分続くと再び鳴るが、同ボタンで止められるという。
西山受刑者は警察や検察の調べに対し、アラームを消すために消音ボタンを3、4回押した、と供述しているという。裁判所もこの供述調書を採用し、西山受刑者の無罪主張を退けた。
弁護団は、自白通りなら人工呼吸器が外れていたのは最大で約3分間だったと指摘。弁護団の依頼を受けた循環器系の医師は、男性の当時の病状を踏まえた上で「3分間で心停止するとは考えられない」との見解を示した。
弁護団は「自白通りでは殺人罪は成立しない」と主張。男性の死因はたんが詰まったことによる事故だとしている。
大津地裁は05年11月、人工呼吸器のチューブを外して男性を殺害したとして、西山受刑者に懲役12年の判決を言い渡し、07年に刑が確定した。西山受刑者は10年9月、取り調べに迎合して虚偽の供述をしたとする専門家の鑑定書などを新証拠に再審請求したが、11年に棄却。12年9月に2度目の再審請求を行っている。
最終更新:11月13日(水)9時9分
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