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【埼玉】

さよなら「Fカフェ」 旧騎西高内、きょう閉鎖

今月いっぱいで閉鎖する「Fカフェ珠寿」=加須市で

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 東京電力福島第一原発事故により福島県双葉町民が避難している加須市の旧騎西高校内で、町民らの交流の場となっていた「Fカフェ珠寿(じゅじゅ)」が今月いっぱいで閉鎖される。同校避難所を閉鎖する方針の町が、カフェがある生徒ホール内の活動を今月末で終了するよう通知したのが理由。避難所や市内外で暮らす町民らの情報交換や憩いの場となっていただけに、落胆の声が広がっている。

 カフェは町民の鵜沼友恵さん(38)らが昨年十月にオープンした。町民らに無料でお茶やコーヒーを提供。避難所を出た町民も訪れ、近況を語り合い、悩みを分かち合える場となっていた。町民の男性(66)は「ここ(カフェ)に来れば双葉の知り合いに会え、情報も入る。寂しさを感じないで済んだ」と話す。

 鵜沼さんは「避難所から最後の一人が出るまで続けたかった」と残念そう。「避難所を出る町民にとって、新しい生活になじむまでの半年間が精神的につらい。そこを支えたい」と話し、今後も市内に交流の場を設ける方策を模索する。

 これまで、生徒ホールで行っていたボランティアの支援イベントも今月末で終了する。町埼玉支所は「避難所入所者も減っている。施設は埼玉県に返さなければならず、手続きを進めるため終了をお願いした」と説明。「今後も町民の交流は支援する」としている。 (石井宏昌)

 

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