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【福島第一原発の現状】

生かされなかった「教訓」 スマトラ沖地震後、有効な対策取らず

 十二〜十八日の一週間、経済産業省原子力安全・保安院と東京電力が二〇〇六年の段階で、原発の敷地より一メートル高い津波に襲われれば、非常用ディーゼル発電機や緊急炉心冷却装置の機能が失われる危険性があると認識しながら、有効な対策を取らなかったことが判明した。

 〇四年のスマトラ沖地震でインドの原発が被災した教訓を受け、電力各社が津波の影響を再検討した。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「勉強として影響確認を行ったにすぎない」というが、まさに「勉強」した通りの事故が起きてしまった。

 事故収束作業では、1〜4号機前の専用港内の海底に粘土とセメントを混ぜた固化剤をまき、積もった放射性物質を閉じこめる作業が完了した。

 港内では一キロ当たり一六〇万ベクレルの放射性セシウムが検出されたこともある。船の出入りなどで、海底の泥が舞い上がらないよう、厚さ四十センチ前後のセメント層ができあがった。また、大量の使用済み核燃料が残る4号機の燃料プールの傾きや耐震性の点検を始めた。

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