韓日関係が悪化して以降、米国ワシントンの当局者、専門家の考えは「韓国が強硬過ぎる」という方向に傾いているという。韓国人にとって、日本の集団的自衛権行使容認は戦犯国家による再武装の企てだ。その戦犯国家と実際に戦争した米国、英国、オーストラリアが日本の集団的自衛権行使を歓迎する立場を取った。オーストラリアは日本の降伏後、戦犯リストに天皇を含めるほど強硬だった国だ。ロシアも日本の集団的自衛権行使を「理解する」との立場を表明した。日本帝国主義による被害を受けた東南アジア各国も日本軍の再登場を喜んでいる。日本の侵略軍との戦争で多くの血が流されたフィリピンの外相もメディアのインタビューで、日本の再武装を「とても歓迎している」と語っている状況だ。今や世界で日本の集団的自衛権に反対している国は韓国と中国しかない印象だ。
各国は内心、日本が中国をけん制することを望んでいる側面もある。しかし、それに先立ち、日本が国際社会で「信頼できる国」「合理的な国」だという評価を得られなかったとすれば、国際世論の劇的な転換も不可能だったはずだ。国別の好感度を評価する国際調査で、日本は常にトップ圏内に入る。集団的自衛権は国連憲章で保障された権利だが、万一中国が日本より世界の尊敬を受ける国だったならば、日本が国際社会で「武力行使」といった話を容易に切り出すことはできなかったはずだ。
同じ戦犯国家でありながら、ドイツが誠実なざんげを行ったのは、相手が米国、英国、フランスだったことが大きいと考える。日本がドイツと異なる行動を取るのは、相手が韓国だからだ。日本に関する問題を根本的に解決する方法は、韓国がもっと合理的で信頼できる国、言い換えれば、英国やフランスのような国になるしかない。韓国を軽視する国際社会の見方が変われば、日本を重視してきた目も変わることになる。
ところで、韓国は今、そういう道を歩んでいるだろうか。1965年6月22日に結ばれた韓日基本条約と同時に、韓日は請求権に関する問題が「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」との点で合意した。「1945年8月15日以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もすることができないものとする」とも明記された。韓国は当時受け取った3億ドルの経済協力資金で浦項総合製鉄(現ポスコ)の製鉄所、京釜高速道路、発電所を建設し、経済の奇跡の足掛かりを築いた。ところが、韓国の裁判所は最近、日本に再び賠償を命じる判決を下した。韓国と同様の内容で日本と請求権協定を結んだアジア4カ国ではそういうことは起きていない。韓国が日本帝国主義によって受けた被害が他国よりはるかに大きいのは事実だが、国際社会は韓国を状況次第で国際的な約束まで覆す国として捉えているようだ。