日本、欧州女王ロシア撃破!ベール脱いだ「MB1」戦法/バレー
ワールドグランドチャンピオンズカップ女子大会第1日(12日、名古屋市ガイシプラザ)昨年のロンドン五輪銅メダルで世界ランキング3位の日本が、同6位のロシアを3−1で下し、好発進した。この試合がお披露目となった新戦法「MB1(エムビーワン)」が効果的に機能。石井優希(22)=久光製薬=がチーム最多の22点を挙げる活躍を見せたほか、大竹里歩(19)=デンソー、中道瞳(28)=東レ=らのサーブが決まり、試合の流れをつかんだ。ロンドン五輪金のブラジルは、同銀の米国にストレート勝ちした。
真鍋政義監督(50)考案の新戦法が上々の効果を発揮。日本が欧州女王のロシアを撃破した。
先発メンバーでセンター(ミドルブロッカー=MB)は大竹ただ一人。大竹の対角にアタッカー(ウイングスパイカー=WS)の迫田が入るという“特殊”なフォーメーションが、ベールを脱いだ新戦法「MB1(エムビーワン)」だった。
ボールがセッター中道に入ると、アタッカー4人がいっせいに動き出す−。超攻撃的布陣は相手ブロックを幻惑させた。ローテーションが進めば後衛になった大竹がリベロと交代するため、ブロックの中心になるMBが一人もいない状況も(左図)。それでも第3セットには、その状態で9連続得点して流れを完全に奪い取った。指揮官は「選手は本当に集中してプレーしてくれた」と満足そうだ。
2016年リオデジャネイロ五輪での金メダル獲得を目指すうえで「背の低い日本が他と同じことをしていては勝てない」と真鍋監督。2年越しで検討してきた新戦法だが、練習開始は9月のアジア選手権後。まだ1カ月半で、完成形にはほど遠い。この日のミス失点は23。相手ミスで得た17点より多かった。中道はそれを反省しつつも「攻撃の選択肢が増える。完成に近づけば、もっと面白いバレーができる」と手応えを話す。
東洋の魔女もミュンヘン戦士も、日本バレーは新戦法で世界の頂点をつかんできた。これが新たな伝説の始まりとなるのか。指揮官は「今日は機能したが、次からは研究される」と気を引き締めた。