エスパー伊東が恐喝被害　２年間で「総額１０００万円ぐらい」

恐喝被害についてギャグを交えて振り返ったエスパー伊東

　お笑いタレントのエスパー伊東（年齢非公表、本名・伊東万寿男）が、恐喝被害に遭っていたことが１２日、分かった。警視庁志村署は、伊東から現金１６万円を脅し取ったとして、恐喝の疑いで住所不詳、無職の佐々木悟容疑者（２９）を１２日までに逮捕。スポーツ報知などの取材に応じた伊東によると、これまで約２年間にわたって佐々木容疑者からの恐喝を受けたといい、被害総額は「１０００万円ぐらい」と話している。

　佐々木容疑者の逮捕容疑は１０月６日、板橋区の伊東の自宅マンションを訪れ「２２万円払え。払わなければ芸能界で仕事ができないようにするぞ」などと脅迫し、同月１０日に再び自宅を訪れ、現金１６万円を脅し取った疑い。容疑を認めている。

　この日、仕事先の福岡に向かう前の羽田空港で、スポーツ報知などの取材に応じた伊東は、「今２２万円とられては生活できない。せめて１５万円にしてくれ」などと交渉したことを明かし、これまでの経緯を赤裸々に語った。

　伊東によると、佐々木容疑者と知り合ったのは約２年前。２０１１年１２月、板橋区内のラーメン店で豚骨ラーメンを食べているとき、店内にいた佐々木容疑者がファンを名乗ってきたという。それ以降、伊東が居酒屋などでおごったりするようになったが、３度目に会ったときに突然「今、小突いただろう、痛ぇな」などと言いがかりをつけてきた。

　佐々木容疑者は、その後も伊東の自宅を何度も訪れて「ファンだったのにそんなことするとはがっかりだ。警察に届けたら芸能界で仕事ができなくなるよ」と脅迫し「これがけがした証拠だ」などと足に血のりらしきものを塗って現れたこともあったという。

　「しつこく呼び鈴を鳴らしたり、ドアを蹴ったり…。夜中の３時であろうと向こうは関係なく来る。ベランダから侵入してきたこともある」。さらに、「スペアキーまで盗まれて鍵をかけても意味がなくなった。ガス代、電気代も払えなくなった。２年間は生きた心地がしなかった」などと振り返った。佐々木容疑者との関連は不明だが、昨年５月には自宅マンションに空き巣に入られ、現金約２５万円が盗まれる事件もあった。

　悩み続けていたが、１１月５日に意を決して志村署に相談。８日に伊東宅の前で張り込んでいた署員が逮捕した。今後、同署が余罪を追及する。

　「ちょっと脅したぐらいならこんなことにはならなかったのに。少しは立ち直らせてやらないと。でも（金は）返してほしい」と伊東。神妙な表情で容疑者の手口を説明していたが、最後には「やられたらやり返す。ハイ返し！」とギャグのポーズを披露し、けなげに締めくくった。

（2013年11月13日06時03分スポーツ報知）