radikan__DSC097111月8日(金)20時から、東京・秋葉原の人気カフェ「RMバーガー」で、新作映画「赤々煉恋」(せきせきれんれん)の公開記念トークライブが開催された。トークショーを行ったのは、監督・小中和哉さんとCGIモーション監督・板野一郎さん。

写真右から板野一郎さん、小中和哉さん、司会者の渚さん。板野さんがダンディーすぎる

写真右から板野一郎さん、小中和哉さん、司会者の渚さん。板野さんがダンディーすぎる

作品のあらすじ  自殺により浮遊霊としてこの世を彷徨う女子高生の樹里。彼女の存在は誰にも気づかれることなく、ひとりぼっちの孤独な日常。この世にいない彼女を見つめる のは、取り憑いた人間を自殺に導く不気味な姿の虫男だけ。しかしある日、樹里は自分の存在に気づいてくれる小さな女の子と出会う。心温まるはずのその出会いと交流が、衝撃的なラストへと導くことになる。

直木賞作家・朱川湊人(原作)、ファンタジー映画の第 一人者・小中和哉(監督)、カリスマアニメーター・板野一郎(CGI モーション監督)という実力派クリエイター異色の組み合わせが誕生させた青春ダーク・ファンタジーの傑作。主演は『映画 鈴木先生』や、14年公開『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』』の土屋太鳳、友人役に『HK/ 変態仮面』の清水富美加、『男子高校生の日常』の吉沢亮ら。若手実力派の熱演も見逃せない2014年正月映画の話題作。12月21日より公開!sekiseki_poster

特撮、ロボットアニメの「生き字引」的なお2人

当日の様子はニコ生でも放映され、会場は満席になるほど人が集まった。トークショーはお二人の経歴や出会いなどについての話題で始まった。『ウルトラマンメビウス』や『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ』などの映画版を手がけた小中さん(写真左)は「思い出に残っているのは1988年公開の『四月怪談』(主演・柳葉敏郎)。これは24歳の時に撮った作品で、この現場で板野さんと初めて一緒になった。当時、板野さんは武闘派アニメーターとかバトルアニメーターと言われていて、皮ジャンとかで決めている姿は正直怖かった(笑)。今作で板野さんは作品のキーとなるCGキャラ『虫男』を描いてもらいました。板野さんはCGもセルアニメもわかっていて、その両方の良い部分が引き出せる方なんです。板野さんしかいないと思っていた」と話す。radikan__DSC0945

アニメファンを興奮させた「納豆ミサイル」

小中監督の印象を聞かれた板野さん(写真右)は「小中監督は、いかにも美少女好き、女の子が好きっていうイメージだったね(笑)四月怪談は思い出深い」と懐かしそう。板野さんはアニメーターとして『機動戦士ガンダム』『伝説巨人イデオン』『超時空要塞マクロス』などのアニメ作品を手がけてきた。最近では『エヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のCGI監修を務めるなど活躍。かなり斬新な迫力あるアクションシーンは「板野サーカス」と呼ばれ、いまも続く伝説となっている。「イデオンの時から色々と演出を加え、当時は『納豆ミサイル』なんて私は呼んでいたんですが、一発のミサイルがグニャグニャっと曲がって飛んでいく光景を細かく描いたり、弾頭にカメラがついているかのような視点で構図を描いたり、当時から色々工夫を凝らしていました。とにかくスリルを視聴者に与えたい気持ちは今でも変わらないですね」(板野さん)radikan__DSC0949

 作品に込めた「思春期の危うさ」

その後、メイキング映像が披露。作品内に出てくる死神的なCGキャラクター「虫男」の原画をパラパラとめくる板野さんが映る。するとすかさず「このあとに、交通事故にあっちゃって両手の骨、折っちゃったんですよね(笑)事故の前に描いた原画です」と板野さんが補足を入れる一面も。会場に集まったファンたちも興味深そうに映像に見入っていた。映像が終わると、トークショーも終盤。最後に小中さんより一言。「今回の作品のテーマは自殺です。若い人の自殺は増えており、本当に身近な問題。死をきちんと捉えられるような作品をつくりたかった。死を選んでしまう思春期の危うさと、残された家族のリアルな思いを描きました。どうか公開をお楽しみにしてください」と締め、大拍手の中、トークショーは終わった。radikan__DSC0959

作品情報

12月21日(土)公開『赤々煉恋(せきせきれんれん)』公式サイトはコチラ