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【福島第一原発の現状】

地下水漏出量に大きな差 政府と東電、異なる試算値

 今週(三〜九日)の東京電力福島第一原発では、ケーブルなどを収容する海側のトレンチ(地下トンネル)周辺の汚染水を海に拡散させる地下水の漏出量をめぐり、政府と東電が試算値を出した。対策を練るための重要な数値だが、政府が出した一日当たり三百トンとの値は根拠の薄いものだった。

 東電は、護岸近くの地下水位が上昇してきたことから、九日、掘ったばかりの井戸から地下水のくみ上げを開始した。

 一日当たり百トンをくみ上げ、井戸はさらに三本まで増やす。政府の値は、くみ上げなければ汚染水として全て海に漏れていたと仮定し掛け算した。東電は専用ソフトを使い四百トンとはじいた。

 汚染水問題は、地元の漁業に与える影響も大きく、廃炉工程の大きな妨げにもなる。東電任せでは、問題続きで事態が動かないとみた政府は、ようやく重い腰を上げ、対策には国費を投入することも検討し始めた。

 東京大生産技術研究所の調査では、福島第一の四百キロ圏に局所的にセシウム濃度の高い海底が四十カ所あることが分かった。

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