東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 東日本大震災 > 福島原発事故 > 福島第一原発の現状 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【福島第一原発の現状】

汚染水、タンクから漏出 処理計画、見直し急務に

 今週(十七〜二十三日)、東京電力福島第一原発では、原子炉を冷やした後、放射性セシウムを除去した処理水が、ボルト締め型の地上タンクから三百トンも漏れた。ただでさえ海側の地下トンネルからの海洋汚染対策に追われる中、処理水をためる計画も見直しを迫られる深刻な事態となった。

 タンクの近くには排水溝があり、土砂とともに水が流れた形跡があった。高い放射線量も計測。溝は堤防もない外洋へつながっており、処理水が外洋に流出したことは確実とみられている。

 問題のタンクは、鋼板をボルトでつなぎ合わせる型。一週間ほどで完成するため、約三百五十基が設置され、高濃度のストロンチウムなどを含む処理水をためる主力だ。溶接型に比べ、鋼板の継ぎ目の耐久性が劣る。

 緊急点検の結果、別のタンク二基の底部でも高い線量が計測され、過去に漏れた可能性がある。

 耐久性の高い溶接型への転換を求める声もあるが、ボルト締め型には二十二万トンの処理水が貯蔵されており、全てを切り替えるのは不可能に近い。

写真
 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo