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【福島第一原発の現状】

タンク汚染水 失態続き より高濃度の水漏らす

 今週(九月二十八日〜十月四日)の東京電力福島第一原発では、タンクからの水漏れが相次いだ。いずれも、台風の大雨対策で回収した雨水を移送したことが原因だった。

 東電は、タンク群周囲の堰(せき)にたまった雨水を一度タンクに回収。放射性物質の濃度を測り、十分低ければ放出している。九月三十日には暫定の放出基準を「放射性ストロンチウムなどベータ線を出す核種は一リットルあたり一〇ベクレル未満」とした。

 ところが、直後の十月一日に、誤って小型タンクに雨水を移送。基準を大幅に超える放射性物質を含む水をあふれさせてしまった。このタンク近くでは直前まで下請け作業員が作業をしており、危うく水をかぶるところだった。

 二日には、一リットルあたり五八万ベクレルのストロンチウムなどを高濃度に含む水四百三十リットルがタンクから漏れ、一部が外洋に流れ出た。

 タンクが斜面に傾いて建てられていたのに、ぎりぎりまで雨水を入れようとし、低い所からあふれた。雨水流出を防ごうとして、濃度がより高いタンク内の処理水を漏らす皮肉な結果になった。

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