韓国:歴史教科書で論争…保守と左派

毎日新聞 2013年11月11日 21時15分(最終更新 11月11日 21時42分)

 【ソウル大貫智子】韓国で高校の歴史教科書を巡る激しい論争が続いている。保守系執筆者による記述が日本の植民地時代や解放後の軍事独裁政権を美化していると批判される一方、左派系出版社による教科書は保守派から親北朝鮮的だと非難を浴びている。教育省が収拾に乗り出し、出版社全8社は修正案を提出したが、左派系出版社の執筆者は修正を一部拒否する事態に。同省は、修正命令を出すかどうかの判断を迫られている。

 韓国では左派系執筆者による教科書が大半だったが、今年初めて「教学社」が保守系執筆者による「韓国史」教科書を作り、これが検定を通過したため論争が激化した。

 左派系野党議員らは「日本の植民地支配を美化している」などとして取り消しを要求。同社に脅迫電話までかかるようになり、教育省はすべての歴史教科書を修正・補完するよう出版社に勧告した。

 教学社には8社中最多の計251件を指摘。「高等教育機関を設立・運用するためには日帝の協力が必要だった」「多くの人々が日帝の侵略戦争に協力した」などの「親日的」とされる記述も修正を求めた。同社は修正案の内容を明らかにしていないが、関係者は「政府の勧告は受け入れた。我々は保守だが親日派ではない」と話す。

 一方、残る7社の執筆者は10月末、修正内容を公開。指摘を受けた計578件のうち、韓国を朝鮮半島唯一の合法政府とする点などは受け入れた。

 しかし、北朝鮮の「主体(チュチェ)思想」について触れた箇所など金日成(キム・イルソン)主席の全集をそのまま引用したと問題視された部分は「出典を明らかにしている」として修正を拒否。政界やメディアを巻き込む論争に発展した。

 韓国の高校歴史教科書は朴正熙(パク・チョンヒ)政権時代に国定となったが、2003年に検定制となった。韓国では17年の入試から日本のセンター試験に該当する「大学修学能力試験」で韓国史が必修となる。教科書によって差が出ないよう、教育現場では「再び国定に戻すべきだ」との声が出ている。

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