2013年11月12日13時48分
安倍内閣は12日午前、復興に関する政府の公式見解「東日本大震災からの復興の状況に関する報告」を閣議決定した。東京電力福島第一原発事故による避難者について「帰還の見通しを持つには至っていない」と初めて明記し、希望者は原則帰還という従来の政府方針を転換する可能性を示唆した。今後、帰還できない住民の移住先での住宅支援を含む新たな支援策を本格検討する。
安倍晋三首相は12日の閣僚懇談会で「被災者にとって将来の展望が描けるよう復興のさらなる加速化を進めること」などを関係閣僚に指示し、復興に向けた取り組みを急ぐ考えを示した。多くの被災者の帰還のメドが立っていない現状を踏まえ、国による生活支援の強化や、帰還見通しの明確化を求めた11日の与党提言を受けたものだ。
この報告は復興基本法に基づき毎年作成し、今回で2回目。希望者全員の帰還を掲げた民主党政権がまとめた昨年の報告では「帰還に向けた準備段階にある」としていたが、今年は「帰還の見通しを持つには至っていない」と表現を変え、放射線量の高い地域を中心に避難者の帰還が困難となっている実態を示した。
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