兄弟での会見でがっちり握手を交わす松田陸(右)と力=大津市のびわこ成蹊スポーツ大で(木村尚公撮影)
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来季名古屋グランパスに新入団するびわこ成蹊スポーツ大4年のFW松田力(22)が11日、同じチームからFC東京に入団する双子の兄・陸(22)とともに大津市の大学で会見した。双子Jリーガーは佐藤勇人(MF・千葉)寿人(FW・広島)が有名だが、力は佐藤兄弟をしのぐようなツインズになると宣言。日本代表でのそろい踏みを壮大な野望に掲げた。
どことなく長友(インテル)に似た精悍(せいかん)な顔立ちは、うり二つ。兄の陸とともに会見に並んだ力は、晴れてJリーガーとなって戦う日を心待ちにしていた。
「(グランパスOBの)本田圭佑選手のように、コイツなら何とかしてくれるという存在になりたい。Jリーグでやれるという手応えはある」
陸、力の兄弟は幼稚園でそろってサッカーを始め、常に同じチームでプレーしてきた。陸が「兄弟であり、友だちのような感覚もある」と表現すれば、力は「高1のときに故障でサッカーをあきらめかけた。陸がいるから頑張ろうと思った」。刺激し合う存在だ。
プロでは初めて別々のユニホームを着るが、目指すのは松田ツインズとしての立身出世だ。力は佐藤兄弟の話題になると「自分たちはそれ以上になる。チームは別ですが、代表で一緒にやりたい」ときっぱり語った。
佐藤兄弟は日本代表として2006年8月16日のアジアカップ予選イエメン戦で1試合だけ同時出場している。力は陸ともに一度ならず数多くのそろい踏みを果たしたいと夢を描く。FWの力にとって、昨季得点王の佐藤寿人は「似ているタイプ」で、点取り屋としての目標にもなりうる。
なでしこジャパンでコーチを務めるびわこ成蹊スポーツ大の望月監督は「双子でも性格は違う。なでしこで例えるなら陸はしっかり者の宮間。力は明るくて立ち直りが早い大野」と評する。個性も豊かな松田ツインズ。力は「1年目からガツガツいきます」。まずはグランパスで実力を証明する。 (木村尚公)
【松田力(まつだ・りき)】 1991(平成3)年7月24日、大阪府出身の22歳。スピードとパワーを兼ね備えた大学屈指の万能FW。176センチ、70キロ。立正大淞南高(島根)を経て、びわこ成蹊スポーツ大へ。3年時には関西学生リーグ1部で25得点を挙げて得点王。今季は大分の特別指定選手としてJ1で9試合に出場して4得点。
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