ツナグ
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辻村 深月原作の同名小説映画化作品「ツナグ」の感想です。この作品は依頼人と死者のコンタクトを仲介する「ツナグ」と呼ばれる若者を軸に「ツナグ」によってコンタクトする依頼者と死者のそれぞれのドラマが描かれています。主人公の「ツナグ」を務めるのは高校生の渋谷 歩美(松坂 桃季)です。彼は普通に学生生活を送る傍らこの「ツナグ」を務めています。自分の両親の謎の死を背負いながら、死者と依頼人を会わせる案内人としての経験を通じ、彼なりの死生観やメッセージがナレーションで語られ、それぞれに描かれるコンタクトのドラマは歩美の人生にも大きな影響を与え「ツナグ」の謎と両親の死の真実に付いてが語られるクライマックスへと進んで行きます。
死者との対面を実現させてくれるこのドラマを鑑賞して思い出す作品は「黄泉がえり」でありますが、両作品は似て異なるものの共通する点は会いたいと願う気持ちや思いでした。特筆なのは三つのコンタクトドラマが鑑賞者に解りやすいように歩美の人生にシンクロしながら描かれる構成と疑問点の答えもちゃんと用意されていることです。ドラマの問いを鑑賞者に委ねるのではなく、明確な回答をもってどう受け止められるかが描かれている点は大きな特徴です。しかしです、この「ツナグ」という役目は仕事としてではなく、ボランティアで行われています。歩美にも生活がありますから多少のお礼を頂かなければやって行かれないのではないか?コンタクトはあるホテルの一室で行われますがホテル代も頂かないんです。これは確かに立派な行為かもしれませんがホテル代は持ち出しなんでしょうか?ここは描かれておりません。感動的なドラマですからお金のやりとりをストーリーにしたくないのは理解致しますがリアル面で考えると返って不自然な気もいたしました。
渋谷 歩美を演じた松坂 桃季(まつざか とおり)は私にとってはお初の役者さんです。役柄上派手な主張は勿論ありませんが仲介人としての演技はじわ~っと心に沁みて来て印象的でした。また、歩美の高校の同級生 嵐 美砂はファンタジー、ホラー系作品ではお馴染みになりました橋本 愛、そして嵐の親友 御園 奈津を「愛と誠」で高原 由紀を演じていた大野 いとが演じていました(鑑賞中は大野 いとだと気が付きませんでした)。行方不明の婚約者 日向 キラリ役の桐谷 美玲もお初ですが彼女は色々な作品に出演しているようですがここまでの出演作には巡り会えませんでした。とても個性的なキャラですね。最初のコンタクト依頼者は横柄で疑り深い男なんですが、ここは、はまり役といいますか遠藤 憲一が演じます。実は私、この役者さん結構好きなんです。
監督・脚本:平川 雄一郎
原作:辻村 深月
主題歌:「ありがとう」 J U J U
キャスト
渋谷 歩美(松坂 桃季)、渋谷 アイ子/歩美の祖母(樹木 希林)、畠田 靖彦(遠藤 憲一)、畠田 ツル(八千草 薫)、嵐 美砂(橋本 愛)、御園 奈津(大野 いと)、土谷 功一(佐藤 隆太)、日向 キラリ(桐谷 美玲)、秋山 定之(仲代 達矢)
2012年日本映画
上映時間:2時間9分
最近びっくりしたのは、ニッポン放送にもよく出演し、家電情報を発信していた流通ジャーナリストの金子 哲雄さんが亡くなったことです。先週の金曜日だったと記憶していますがたまたま休憩が14:30くらいになって遅めの食事をとりながら会社の食堂にあるテレビを観ていましたら午後のワイドショー番組で金子さんの告別式の模様が報じられていていました。流れのまま観ておりますと何とニッポン放送のカッキーも親交(仕事)の関係でインタビューー出演があったんです。金子さんもカッキーも初めてテレビでお見かけする訳ですがこのような内容でお二人を拝見することになろうとは夢にも思いませんでした。
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松坂桃李が出ていると聞いたもんで、興味を持って見てみた『ツナグ』 今回は主人公・歩美の成長物語で、最後に突然死した両親と再会するのかと思ったら、違った。 祖母の口から両親の真相を聞き、最後にツ...
「ツナグ」★★★☆ 松坂桃李、樹木希林、佐藤隆太、桐谷美玲、 橋本愛、大野いと、遠藤憲一、別所哲也、 本上まなみ、浅田美代子、八千草薫、仲代達矢出演 平川雄一朗 監督、 129分、2012年10月6日(公開) 2012,日本,東宝 (原題/原作:ツナグ/辻村深月著) <リンク…[続く]
今、一番観たい作品です。
by k_iga (2012-10-09 23:37)
k_iga さん、おはようございます。
ぜひ、ご覧になってください。
私は泣きませんでしたがまわりで泣いている人が
ちらほらいましたよ。
by einstein (2012-10-10 04:20)