伊那市高遠町板山地区の住民でつくる「板山露頭の会」と板山生産森林組合は十日、南アルプス(中央構造線エリア)ジオパークの北端にあたる「板山露頭」近くで間伐作業をした。来年、ジオパーク全国大会が伊那市で開かれることもあり、住民たちは来訪者に地域の景観をより楽しんでもらおうと張り切っている。
作業したのは、板山露頭から殿宮神社付近にかけての遊歩道沿いの林。十四人がチェーンソーやなたで、ナラ類やクリなどを伐採し、つる草を切り払った。
板山露頭の会は二〇〇三年に発足。板山生産森林組合とともに〇四年から、案内板設置、桜やツツジの植栽、草刈りなどを続けている。今夏、ツツジがニホンジカに荒らされないよう、野生動物が嫌がるアセビも植えた。
森林組合長でもある同会の伊東基博会長は「地質的な特徴とともに、花や紅葉など四季を彩る自然も楽しんでもらい、地域に関心を持ってもらえたらうれしい」と話している。
露頭は、地層や岩石が露出している場所。板山露頭では、関東から九州まで続く断層である中央構造線の一部を間近で観察できる。
(近藤隆尚)
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