本紙の紙面を掲げて、笑顔の山中=東京都新宿区の帝拳ジムで(竹下陽二撮影)
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和毅は眼中になし!? WBC世界バンタム級王者山中慎介(31)=帝拳=が5度目の防衛から一夜明けた11日、東京都内のジムで会見に臨んだ。例によって、亀田3兄弟の末弟、WBO同級王者亀田和毅(22)との統一戦を待望する質問が出たが、本人はやや食傷気味。それどころか、WBA同級スーパー王者アンセルモ・モレノ(28)=パナマ=との統一戦を熱望した。
和毅との統一戦の質問が出ると、山中がややウンザリして答えた。
「それ、1001回目の質問ですか? やれば盛り上がるでしょうし、決まる方向になればやりたいですけど…。えー、誰のことでしたっけ? 和毅? 僕は特別にこだわってるわけではないですから…」
前夜(10日)の試合後も、例によって和毅戦の質問が出た。「もう、1000回ぐらい聞かれた」とジョークで切り返した山中も、さすがにこれ以上は、答えようがないということだろう。
山中は続けて「それより、モレノの方がやりたい」と言った。モレノとはWBA同級スーパー王者である。スーパー王者とはWBA独自の制度で、5〜10回の防衛か他団体との王座を統一した正規王者が格上げされるもの。モレノは7回の防衛を達成して認定された。当然、正規王者より格上の存在。WBA同級正規王者は亀田家の長男興毅だが、山中が興毅を飛び越えてモレノの名前を口にしたあたりは、亀田兄弟への本音が垣間見えた気がする。
むしろ、山中の目は海外に向いている。「海外でビッグマッチをやってみたい。ラスベガスで強いと評価された選手とやってみたい。と言いながら、僕は試合どころか、練習もラスベガスでやったことがない。試合の前にラスベガスでトレーニングしたい」。ボクシングのメッカ・ラスベガスでの武者修行も熱望した。
とはいえ、帝拳、亀田両ジムの交渉が思いのほか進展し、和毅との一騎打ちが実現するとなれば望むところだろう。相手へのリスペクトを忘れない山中は口にこそしないが、勝つ自信は100%あるはずだ。大衆向けの和毅戦か、それとも、通好みの海外進出か。神の左の動向から目が離せない。 (竹下陽二)
◆アンセルモ・モレノとは WBAバンタム級スーパー王者。パナマ出身の28歳。プロ戦績は34勝12KO2敗1分け。2010年8月にWBAバンタム級王座を7度防衛後、スーパー王者に昇格。現在は11度防衛中。ことし8月、WBAがモレノと同級正規王者亀田興毅との王座統一戦の指令を出したが、両陣営の交渉が合意に至らず、現在に至っている。
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