福島原発事故:帰還困難区域外も移住支援 政府・与党検討

毎日新聞 2013年11月12日 07時03分(最終更新 11月12日 07時54分)

福島復興加速化案の骨子
福島復興加速化案の骨子

 自民党の大島理森前副総裁(党東日本大震災復興加速化本部長)は11日、毎日新聞のインタビューに応じ東京電力福島第1原発事故による年間積算放射線量が50ミリシーベルトを超える「帰還困難区域」以外の地域でも、移住を決断した住民に新たな生活再建策を検討すべきだとの考えを示した。政府が移住支援する対象地域を一律に区切らず、個々の避難者の判断に応じ柔軟に対応するよう求めた。政府は同日、自民、公明両党が提言した福島復興加速化案とあわせ、具体策を検討する。

 大島氏は政府に提言した帰還困難区域の住民の移住に関し、「3年も4年も帰れるかどうか分からない状態に住民を置くのが良い政治なのか。現実をきちんと示し、住民に判断してもらうことが大事だ」と指摘。同区域外での住宅の確保を容易にするなどの移住支援策が不可欠との考えを示した。

 その上で、大島氏は放射線量が年20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下の「居住制限区域」の住民が移住を希望した場合も「一人一人を見て対応しなければならない。思いは(帰還困難区域の住民と)同じだ」と強調。放射線量による一律の対応でなく、個々の事情に配慮すべきだとした。さらに「バックアップ体制は別途考えていかなければならない」と述べ、居住制限区域の住民には、帰還困難区域とは別の支援策が必要だとの見方も示した。

 福島第1原発周辺の福島県11市町村は原子力災害対策特措法に基づき、放射線量に応じて▽帰還困難区域▽居住制限区域▽避難指示解除準備区域(年20ミリシーベルト以下)−−に分けられている。

 自民、公明両党は11日、「避難住民の全員帰還」というこれまでの原則を転換する提言を安倍晋三首相に提出。長期にわたって帰還が難しい避難住民から「不安定な避難生活を続けるより、新たな場所で生活を始めたい」と要望が出ていることを踏まえた内容で、福島復興加速化案として今後、政府が具体化を進める。

 このほか提言に▽放射線量が低減してきた地域の住民に早期帰還を後押しするための追加賠償▽汚染土などの放射性廃棄物を一時保管する中間貯蔵施設への国費投入−−なども盛り込んだ。【大久保渉、高本耕太】

 ◇福島復興加速化案の骨子

▼早期帰還の促進

・帰還可能地域の除染・インフラ整備を優先

・避難指示解除後の賠償継続期間や追加賠償について年内に結論

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