1979年、ソニーから画期的なオーディオ商品が生まれた。
それまで室内で楽しむものだった音楽を、外に持ち出し、しかも歩きながら楽しめるようにした商品、「ウォークマン」だ。以来、「カセット」「CD」「MD」と記録媒体は変化しつつも、20年以上にわたり「携帯音楽プレーヤー」市場のトップを走ってきた。
「小さく」で「シンプル」で、「かっこいい」、まさにソニーを象徴するようなブランドだった。
しかし、2001年、マックコンピューターで知られる「アップル社」がハードディスク内蔵の携帯音楽プレーヤー、「iPod」を発売。
以後、次々に新型機種を発表、パソコンなどから音楽データをおよそ1000曲分も録音でき、しかも小さくて軽いことが受け、大ヒットを遂げる。
それによって、2005年、ついにソニーは「携帯音楽プレーヤー市場」で長年に渡って守ってきたシェアトップの座から陥落する。そのシェアの差は最大で50%以上も広がった。
しかし、「ウォークマン」ブランドを愛する社員たちは、決して巻き返しをあきらめていなかった。「ソニーの強みとは何か?」「ソニーらしさとは何か?」などを徹底的に追及し始める。そして、音質へのこだわり、弱点だった若い世代の開拓、そしてソニーらしい商品の開発など、様々な改革を試みる。
そして、昨年夏、2週間ではあったが、4年8カ月ぶりに「携帯音楽プレーヤー」市場でシェアトップを奪い返したのである。
番組では、圧倒的な差をつけられた屈辱から立ち上がり、伝説のブランド「ウォークマン」の巻き返しに挑む、ソニー社員たちの奮闘をドキュメンタリードラマとして描いていく。