アゴラ 11月4日(月)19時36分配信
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アメリカ富裕層で人気ナンバー1の車種は、BMWでもベンツでもなく…… |
子供の頃、お金持ちが保有する車といえばヤナセの黄色いステッカーが張ったBMWやメルセデス・ベンツでした。
ざっくり30年がたった今、ニューヨークに住んでいますとラッパーの間で「ビーマー」との愛称で親しまれるBMWはどちらかといえば大衆車に近い。リースだと月々3万円近くで乗れる、という手ごろ感が魅力なんでしょう。
では、アメリカ富裕層が選ぶ車はというと……。郵便番号別でみた1〜8月の販売動向が教えてくれます。
自動車情報サイト大手エドマンズ・ドットコム、フォーブス誌、R・L・ポーク社の調査によりますと、全米住宅価格・中央値トップ25地区の1〜8月新車販売台数で最も人気が高かったブランドはBMW、アウディ、ベンツ、レクサスでもなく……セダン「モデルS」。そう、現実世界のトニー・スタークとの誉れ高いイーロン・マスク率いるテスラの電気自動車(EV)でございます。
住宅価格の中央値レンジが430万〜670万ドル(4億2140万円〜6億5670万円)の25地区のうち、テスラは実に8地区でトップに輝きました。カリフォルニア州のポートラ・バレー、同州ロスアルトス・ヒルズ、同州アサートンなどでは、1〜8月期の新車販売台数のシェアは2桁を記録。住宅価格・中央値で全米トップのアサートンでは、実に15.4%にも及んだんです。
全米住宅価格・中央値ランキング別、1〜8月期新車販売動向に占めるテスラの割合はこちら。
カリフォルニア州と比較すると、ニューヨーク州でのシェアが低いことに気づかれましたか? NY州でのテスラの割合は良くて1%に乗せる程度で0.3%程度がザラなのに、なぜこうも西高東低なのか。NYが充電スタンドが決定的に不足しているだけじゃないんです。
EVであるテスラ購入者には7500ドル(73万5000円)の連邦税控除を与えられます。これがカリフォルニア州だと、2500ドル(24万5000円)の州税控除とセットになるんです。おまけに、テスラなら運転手1人でも渋滞回避をえらって設定されている相乗り車線で走行できるメリットまでついてくるんですよ。究極の車社会カリフォルニア州では魅力的な特典というワケ。
テスラがカリフォルニア州パロアルトに本社を構えているのも、地元アメリカ人富裕層の愛着をそそるのかもしれません。「モデル S」の価格は7万1000ドル(695万8000円)から。日本でも予約開始済みで、2014年春に納車予定なんですね。環境に配慮するリッチ層が公道でデビューさせると、憧れの人気車種として急上昇するのか注目です。
テスラに次ぐブランドはというと。
最終更新:11月4日(月)19時36分
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