無題

目を覚ますと豪華なシャンデリアが見えた。
「ここは……う……」
不意に走る後頭部の痛みに思わずうめく。
いったい何が起きたのか定かではない。
ただ、頭に手を伸ばそうとして気づいたことがある。
手足が縛られている。そして全裸だった。
なにやらベッドの上に大の字にくくりつけてあるようだ。
「目が覚めたようですわね」
突然、耳元で声が響く。
「白鳥……さん?」
「ああん、雪子と呼んでくださいませ」
白鳥、いや雪子の眼差しは狂気に満ちていた。
(そうだ、思い出した)
俺は催眠術の指南書を手に入れた。
そしてその実験台に雪子を選んだのだった。
放課後の教室で俺を愛するよう術にかけたが効果が見えず、
帰ろうとしたところを背後から殴られた。
つまり、気づいたら……ここに?
「雪子、いったいなにを?」
「なにを? わかっていますでしょう?
わたくしは俊夫様に首ったけで、そうさせたのは俊夫様ってこと」
そう言うと雪子は手に小さな手帳を取り出した。
「催眠術の全てが書いてある本、こんなものを使ってまで
わたくしが欲しかったんですの? うふふ
だったら嬉しいですわ、こんなに他者を愛せるなんて知らなかった」


雪子は明らかにおかしい、あるいは狂っているのかもしれない。
だがその恍惚の表情はゾッとするほど美しかった。
「雪子、落ち着いて。とりあえず縄を解こう」
「よろしいですわ、やっぱり殿方は自分主導のほうが燃えますものね」
何か勘違いしているようだが、まあいい。
とにかく雪子の催眠の内容を変えなければ。
よし、ほどいた。
「雪子」
「なんですの?」
「……あれ? ……え?」
なぜだ? 催眠のためのキーワードが出ない。
簡単な言葉なのに急に言えなくなってしまった。
まさか?
「催眠術で私をどうこうしようとしても無駄ですわ。
すでにわたくしが催眠術を使えなくしましたから」
そうか、しまった。指南書をとられていたのだった。
催眠術を使えないように催眠にかけることも可能というわけだ。
「ちい!」
「あっ!?」
俺は脱兎のごとく駆け出した。
とにかく逃げ出さなければ、何をされるか分かったものではない。
広い部屋を駆け抜け、ドアノブを回し外へ……
「無駄ですわ」
瞬間、両脇をがっちり捕まえられる。
「なっ!?」
そこにいたのは愛らしいメイド服の少女たち。


「せっかく自由意志でここにいてもらおうと思ったのに
がっかりですわ俊夫様。
これじゃあ俊夫様を少々いじらねばならないではないですか」
「やめろ、やめてくれ……」
「さようなら」
俺の意識は闇の中へと落ちていった。


目を覚ますと豪華なシャンデリアが見えた。
「ここは……」
「わたくしの部屋ですわ」
「そうだったな雪子」
隣で寝そべっていた忠実なる奴隷雪子がにっこりと微笑む。
昨日の俺はどうかしていた。
雪子を逃がさないならともかく、雪子から逃げようだなんて。
雪子の股間に手を伸ばすと、ヌルヌルの粘液が手にまとわりつく。
興奮しているのだろう、柔肉は熱かった。
「おいメイドたち、いるんだろう、入ってこい」
言うとすぐさまドアノブが回り、二人のメイドが入ってくる。
黒髪の貧乳メイドと金髪の巨乳メイド。
二人は靴下と靴とヘッドドレス以外は陰毛すら身につけていなかった。
「来い、三人まとめて犯してやる」
並ぶ三つの尻、学校へ行けば都合600までぐらいは増やせる計算。
ふふ、最高じゃないか。
「なあ雪子、俺はお前を手放さないぞ」
「はい、わたくしは旦那様の所有物ですから」


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