道徳:「特別の教科」に格上げ提言 記述式で評価
毎日新聞 2013年11月11日 11時06分
文部科学省の有識者会議「道徳教育の充実に関する懇談会」(座長、鳥居泰彦・慶応義塾学事顧問)は11日、小中学校の道徳の教科化に向けた報告案を公表した。「特別の教科 道徳」(仮称)という新たな枠組みとして格上げし、確実な実施を促す。正規の教科のように数値や段階では成績を付けず、記述式の評価にする。2015年度にも開始される見通しだが、来年度は先行して文科省作成の副教材「心のノート」の改定版を活用。将来的には検定教科書も導入する。
道徳は現在、正式な教科ではない「教科外活動」として、週1回、小中学校で実施されているが、他の教科の補習に使われるなど形骸化が指摘されている。政府の教育再生実行会議は今年2月、いじめ問題への対応として、道徳教育の充実と正式教科化を提言。懇談会が4月から検討を進めてきた。
報告案によると、道徳教育の特性から数値評価は不適切であるとの考えを踏襲し、児童生徒の様子を文章で記述し、評価とする。水準を維持するため、民間の検定教科書を主な教材として導入する。また、専門の教員免許は設けないが、道徳教育に優れた教師を「道徳教育推進リーダー教師」(仮称)として配置し、地域ぐるみで取り組むほか、大学の教員養成課程での履修内容を充実させる。
懇談会は12月中に報告をまとめる予定。具体的な内容は今後、中央教育審議会で議論される。第1次安倍内閣時代の中教審では慎重意見が多く、教科化が見送られた経緯があるほか、「特定の価値観の教え込みにつながる」との意見が学校には根強く、曲折も予想される。【福田隆、三木陽介】
<道徳の教科化に向けた報告案骨子>
・「特別の教科 道徳」(仮称)に格上げする。
・数値評価は不適切なので、記述式で評価する。
・主たる教材として検定教科書を用いることが適当。当面は新「心のノート」(仮称)などを用いる。
・現在と同様、学級担任が授業する。
・「道徳教育推進リーダー教師」(仮称)を加配する。
・私立校は引き続き、宗教教育を道徳として代替可能。
・大学の教員養成課程で履修内容を充実させる。