橋下市長:桜宮高自殺「一生背負っていく十字架」
毎日新聞 2013年11月11日 12時18分(最終更新 11月11日 12時37分)
昨年12月、バスケットボール部顧問から体罰を受けた翌日に主将の生徒が自殺した大阪市立桜宮高校(同市都島区)で10日、スポーツイベント「桜宮高校大運動会」があった。橋下徹市長はあいさつで生徒たちに、自殺は「一生背負っていかなければいけない十字架」と指摘し、「桜宮を誇れる学校にしてもらいたい」と訴えた。
イベントでは著名選手とのスポーツ体験などがあり、生徒や保護者、地域住民ら計約500人が参加した。
橋下市長は生徒に「君たちは暴力を指導の名の下に受け入れて問題意識を持たなかった」と指摘、学校が「確実に再生している」と強調した上で、事件について「みんなが一生背負っていかなければいけない十字架でもある。一生懸命頑張って、天国に行った仲間のためにも誇れるような学校にしてもらいたい」と述べた。発言について記者団に「事実を忘れてはいけないということだ」と説明した。
運動部に所属する3年生女子は「この1年で意識も変わり、今日の話も素直に聞けた」と理解を示した。一方、運動部の3年生男子は「誰も事件を忘れていない。なぜこんな言われ方をされるのか」と困惑、保護者の女性(47)も「十字架を背負うのは顧問や市教委、市長ではないか」と疑問を投げ掛けた。
体罰事件では、顧問の元教諭=懲戒免職=が今年9月、傷害などの罪で有罪判決を受けた。【茶谷亮】