国会審議が始まった特定秘密保護法案の成立を食い止めようと、奈良市で10日、市民団体などが街頭で買い物客や観光客らに法案の問題点などを訴えた。

 護憲や医療関連団体、食の安全を訴える母親らのグループなどによる「ストップ! 秘密保護法11・10奈良県民集会実行委員会」が主催。近鉄奈良駅前で参加者が次々にマイクを握り、「戦中の言論統制に近いものがあるのに、まだまだ世間の関心が低い」「知る権利が侵害される、民主主義社会にとってあってはならない法律だ」と強調。雨の中、「国民の目・耳・口をふさぐ秘密保護法を許すな」と書いた横断幕を掲げ、市街地をデモ行進した。

 模試の帰りという田原本町の中学3年の男子生徒(15)は「法案のことはきょう初めて知ったけど、国民主権なのに国民に秘密にされるなんておかしいと思う」と話した。葛城市の男性(71)は「この法案は怖いし、危険だ。パブリックコメントでは7割以上が反対だったのに中身を練り直しもせず出すなんて、国民の意見を聴く気があるのか」と憤った。