テスラCEO、車両火災に声明「モデルSは安全」

2013年10月7日(月) 21時30分
テスラ・モデルSの画像
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米国のベンチャー企業、テスラモーターズの新型EV『モデルS』。米国で起きたモデルSの車両火災に関して、テスラモーターズのトップ自ら声明を出し、事態の「火消し」に動いている。

この車両火災は10月1日の朝8時頃、米国ワシントン州シアトル郊外で発生。1台のモデルSが、高速道路を走行中、金属製の落下物に接触。この直後、車両には異常を知らせる警告が出たため、ドライバーは警告に従いスローダウンし、高速道路の出口を降りた。すると、車両のフロント下部から発火し、車両火災に至った。幸いにもドライバーは脱出し無事だった。

この車両火災に敏感に反応したのは、米国ニューヨークの株式市場。車両火災の様子を撮影した映像が、ネット上で公開された翌日の10月2日、テスラモーターズの株価は6.2%下落。テスラモーターズの好決算を主導してきたモデルSの車両火災が、投資家の間で、今後の業績に影響する懸念材料になったためと見られる。

テスラモーターズのイーロン・マスクCEOは10月4日、同社の公式ブログにおいて声明を発表。「モデルSは安全」と宣言している。

マスクCEOが指摘したのは、「金属製の落下物が大きく、モデルSのアンダーフロアに8cm近い穴が開くほどの大きな損傷を負った」ということ。これにより、モデルSのフロント部分に積まれた二次電池(リチウムイオンバッテリー)から火災が起きたという。

また、マスクCEOは、現場で消火活動に当たった消防隊のEVに対する不慣れもあったと指摘。消防隊は火災元であるリチウムイオンバッテリーを直接消そうと、バッテリーの金属製カバーに穴を開けたと見られる。そして、化学消火剤ではなく、水を噴射したために、反応を起こして激しい炎が上がったという指摘だ。

そして、マスクCEOは、「燃えたのは車両のフロント部分のみで、室内には延焼していない」と、モデルSの強固なファイアーウォール構造を強調。さらに、米国での車両火災の各種データを引用した上で、「(可燃物のガソリンタンクを載せた)一般ガソリン車で車両火災に遭うリスクは、テスラのEVの5倍以上」と、モデルSの安全性をアピールしている。

《森脇稔》


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